友達として大好き 1 アフタヌーンKC
著:ゆうち巳くみ
出版社:講談社
性に奔放で人の考えを読めないギャル、櫨沙愛子(はせ さなこ)は女子に追われ逃げ込んだ生徒会室で超マジメでクールな生徒会長、高敷結糸(たかしきゆいと)と出会います。
沙愛子は結糸に一目惚れし、彼と何とか恋人になろうとするのですが……
登場人物
櫨沙愛子(はせ さなこ)
性に奔放な女子高校生
金髪ポニーテールの女子。
他人の気持ちが分からず、仲良くなる為には主にエロい事で攻める。
愛らしい容姿は男子に好かれるが人の彼氏にも関係無く迫る為、女子からは嫌われている。
高敷結糸(たかしき ゆいと)
超マジメな男子高校生
眼鏡のイケメン男子。
勉学に励み規則を守る事に重きを置いている。
生徒会長として生徒からの人気も高い。
菊池冬也(きくち とうや)
生徒会庶務
副会長の座を巡り沙愛子と戦う事になる。
高敷恵武(たかしき めぐむ)
結糸の兄
無精ひげの20歳男性。
大学を止めニート中。
その事を後ろめたく思うあまり、出来の良い結糸に当たってしまう。
あらすじ
ある女子生徒の彼氏にちょっかいを出し、バケツで水を掛けられ女子たちに追われていたギャルの櫨沙愛子。
彼女が思わず逃げ込んだのは生徒会室。
そこには沙愛子好みの眼鏡男子が一人勉学に励んでいた。
びしょ濡れの沙愛子を見ても何も言わないその男子に、沙愛子は緊張してるの? と問い掛ける。
返って来た答えは「突然入ってきて、勝手に空気に耐えられなくなっているのはそっちでは……」という切れ味の鋭い物だった。
その言葉にビビッと来た沙愛子は付き合って下さいと頭を下げる。
彼の答えはお断りします。
エッチが出来るのに!? と衝撃を受けた沙愛子に校則で禁止されていると取り付く島もない。
その後、手を変え品を変え沙愛子はその男子、高敷結糸に迫るのだが沙愛子が得意なスキンシップは彼にはまるで通じなかった。
結糸はそんなウザ絡みする沙愛子を無視する事無く、一つ一つ丁寧に応え、何故駄目なのか理由を述べて言った。
そんな対応を受けた事の無かった沙愛子は、どうしても結糸と繋がりを持ちたかった。
「ねぇ……友達になるのは校則違反?」
結糸は一瞬考えたあと「いや、違反ではない」と静かに答えた。
感想
沙愛子は人との繋がりを肉体で得ていた様でした。
そんな彼女が真面目で融通の利かない優等生、結糸を好きになってしまい……。
あらすじで書いた場面の後、結糸は暴走しがちな沙愛子に規則を設け、それを守る様促します。
その事により無軌道で気持ちのままに動いていた沙愛子は変わり始めます。
活字にすると沙愛子は遊び人のギャルの様に感じるかもですが、読んでいて感じたのは、彼女はそれ以外に他者と接する方法を知らなかったのだろうなという事でした。
人は誰しも成功体験を得て行動を決めている様に思います。
以前はこれで上手く行ったから、次もそうしよう。
容姿の優れた沙愛子は成功体験のある性に関する事で、人との繋がり(主に男子)を得て来たのでしょう。
ただ、結糸に出会うまでは、心の繋がりを得る事は無かった様でした。
真っすぐで何処かワンコの様な沙愛子。
超真面目で奔放な沙愛子を無視できない結糸。
二人がお互いに影響を与え合い変化していく様子は、読んでいてとても心地よかったです。
まとめ
結糸は沙愛子と友人関係を結ぶにあたって、1000の規則を設ける事を提示しました。
沙愛子は凄い圧が強いので、果たして1000で足りるのかどうか……先が楽しみです。
この作品はコミックDYSにて一部無料でお読みいただけます。
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