スキップとローファー 5 アフタヌーンKC
著:高松美咲
出版社:講談社
慌ただしかった文化祭も終わり、美津未(みつみ)達は日常を取り戻していました。
そんな中で美津未は志摩の事を意識し始め……。
登場人物
山田(やまだ)
美津未たちのクラスメイト
短髪で軽い男子。
とにかく彼女が欲しいようだ。
本多(ほんだ)
文芸部二年男子
眼鏡で猫ッ毛の穏やかな男子。
美津未の友人、文学少女の誠(まこと)は彼に想いを寄せている。
あらすじ
文化祭も終わり、すっかり日常モードになった学校。
変化といえば席替えをして美津未の隣が志摩になり、後ろの席はまこと、その右隣りは山田になった事だろうか。
ただその事で陽キャが苦手な誠はかなり疲れていた。
美津未の周囲には休み時間、結月の他、山田を揶揄い、志摩と話したい女子が集まりなんだかとても賑やかになったのだ。
その事で、情報過多になった誠はお疲れのようだった。
お昼ご飯を食べながらそんな事を話していた彼女達の話題は、山田経緯で彼氏彼女の話になる。
ぶっちゃけ、誰でもいい感じの山田は置いておいて、ミカは他のクラスの女子が志摩の友人の向井がカッコいいと言っていたと話題に出す。
そんな話題の中、誠がボソリとここにいる誰より早く、意欲的な山田が彼女を作ったりするんだろうかと呟き、場の空気は暗く沈んだ。
そう考えると山田君は立派だと美津未も頷き、結月も男子をすぐ馬鹿にしちゃいけないと反省した。
そうして食事を終え、教室に戻った美津未たちは志摩たちが知育玩具(練れば練るほど色が変わる奴)を食べている所を目撃してしまい、男子ってと少し引いた後、顔を見合わせ笑うのだった。
感想
今回は少しずつ変わっていく美津未と周囲の人々と環境、志摩の事を意識し始めた美津未、誠の片思い、ボーリング大会とプレゼント、美津未とナオの出会い等が描かれました。
その中でも今回は、文学少女で自ら陰キャだと認め開き直っている感のある誠と、文芸部の先輩、本多の書店巡りの様子と、美津未と性別で悩む若き日のナオの姿が印象に残りました。
誠は自分の容姿や性格にコンプレックスを持っている様でした。
そんな彼女が本を通して仲良くなった本多の為に、お洒落をして書店巡りのデートに挑みます。
容姿については生まれ持った物であり、自分ではどうする事も出来ない要素だと思います。
ただ、見た目だけに固執するのは愚かしいとも感じます。
たとえどんなに容姿端麗でも、尊大で他者を思いやる心に欠けていればその人の魅力は激減する筈です。
逆に完璧な美貌を持っていなくても、優しく心配りの出来る人は魅力的に感じます。
今回、本多に好かれようとお洒落をした誠は、とても可愛く感じました。
それは着飾る事で自分を満たす為では無く、本多の為にやった事だからかなと何となく思いました。
また、美津未とナオについては、最近話題に上る事も多いLGBTQIAについて少し考えました。
そもそも、男らしい、女らしいというのは一体何なのかと作品を読んで改めて感じました。
男性はスーツを着て、女性は化粧をしスカートをはく。
それはこうあるべきだという、昔からそうだったという固定観念の様に思います。
性同一性障害など生まれながらに性の不一致に悩む人々。
そんな人たちが楽に生きれるなら、見た目がどうであろうが望む性別で、望む姿で生きれる方が健全な様に感じます。
それによって何か無関係な他者に不利益が生じるのでしょうか。
別に何も発生せず、ただ生理的に受け付けないとかそんな理由なら、ヒステリックに騒ぐ必要は無いのではないでしょうか。
LGBTQIAも単なる個性として認められる、そんな社会になればいいなとナオと美津未の姿を見ていて思いました。
まとめ
ラストの美津未とナオのエピソードを読んで、改めて美津未は凄いなぁと感じました。
全員違って当たり前なのだ、その上で一人一人のいい所を見て付き合っていけたらいいな。そんな事を考えました。
この作品はコミックDYSにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。