トクサツガガガ13
作:丹波庭
出版社:小学館/ビッグコミック
中村叶、27歳、OL、特撮オタク。
油断により、母に特撮グッズ入りの段ボールを見られてしまった叶。
絶体絶命の危機に叶はどう立ち向かうのか。
ラスボス(お母ちゃん)との決戦からはじまる第十三集。
第120話 結局
あらすじ
仲間の頑張り空しく、油断により段ボールを母に発見されてしまった叶。
段ボールを開けていないことに、一縷の望みを託すが、そもそも部屋に勝手に入る人間が、プライバシー等気にするはずもない。
願いは届かず、母の手にはシシレオーの、可動フィギュアが握られていた。
「まだこんなの持ってたん?」
こんなところで出さないでという叶に、母は自分でも恥ずかしいと思ってるんでしょと畳みかける。
たじろぐ叶に、彼女は皆の前で大事な物だから、返してと言ってみろと追い打ちをかける。
出来ないのは周りの人にどんな風に見られるか、分かっているからだと彼女は言った。
追い詰められた叶は、男性物のセクシーな下着を母に突きつけ、兄にどうかとにじり寄る。
はしたないと、うろたえる母に人前で言える、言えない、女の子とか、大人とか関係ない。
みっともないとか、バカみたいとか、自分でも思うけど、言えないからおかしいとか、自分が間違ってるとかはもう思わない。
叶はこの一年弱で出来た友人たちが心に浮かんでいた。
どんな方向であれ、自分の在り方をコントロールされたりしない。
叶は母に言った。
お母ちゃんが心配してくれているのは分かる。
部屋に入れなかったのも悪かった。
でも友達もできたし、別に変じゃないし、独りでもない。
叶は母の事をむやみに否定したり、逃げたりせず歩み寄ろうとした。
だが帰って来たのは平手だった。
勝ち確を予想していた叶は、頭を叩かれたことで混乱する。
母から友人の年齢を聞かれ、平均年齢で20ちょいと答える叶。
結婚しているのか聞かれ、30過ぎても、ろくでもないことしてるつもりとなじられる。
自分は部屋に勝手に入ったことも、許したのになぜ叩かれるのか。
なぜ、会ったこともない友人の悪口を言われているのか。
叶は好きなものに年は関係ない、母だってカワイイものが好きではないかと反論する。
それに吉田さんには彼氏がいる、結婚するかもしれない。
そう言う叶に、母は、なら結局、叶は独りになる。
独りでこんなことを続けるつもりか、30過ぎたら貰い手もつかん、何が分かっているのかと詰め寄る。
叶は気付く、自分がいくら理解を示しても、相手に歩み寄る気がないなら、分かり合うことなど出来ない。
会話の中で母の手に握られていたシシレオーのフィギュアの腕が砕かれる。
それを見た叶は怒りを爆発させた。
「じゃかましい!!!くそばばあ!!!」
叶は母の頬を強く打っていた。
親に向かってという母に、親じゃないと叶は言った。
更に家の鍵を返して、養育費を一生かかっても返す、だからもう家族じゃない、関わらないでと言い放つ。
怒りに取り憑かれた叶は更に言う。
「たしかに私は独りになるかもしれない、でも私も兄もなぜ母の元に寄り付かないかわかる?
アンタのこと嫌いだからだよ。お母ちゃんだって、独りやん。」
怒りに任せて振るわれた刃の行方は…。
感想
母と分かり合えず、怒りのまま決別を口にした叶。
その後、ダミアン(小学生)の家庭問題に、社会人として踏み込む訳にもいかず、さらにダミアンが恋している吉田さんに、彼氏が出来たことを口にしてしまい、彼とも疎遠になってしまいます。
落ち込む叶でしたが、友人たちや、兄夫婦とのふれあいで少しずつ元気を取り戻します。
また長く新作の作られていなかった、ソールマンの復活に勇気をもらい、母との関係を考えることも、出来るようになりました。
叶はまずは疎遠になった、ダミアンとの仲直りを目指すのでした。
今回は母との決着、チームD.M.A.N.解散、空想おせち、笑顔の写真、巨人の復活、お年玉などです。
お父さん、お母さん銀行、覚えがあります。
どの家庭でも同じなのでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。