白暮のクロニクル 9 ビックコミックス
著:ゆうきまさみ
出版社:小学館
12月に入り、羊殺しの時期が刻々と迫るなか、魁は焦りを感じています。
またあかりも光明苑の火事で、入所者の移動などの仕事に追われていました。
あらすじ
魁は羊殺し解決の糸口が見えず、焦り苛立ち、あかりにきつく当たってしまう。
あかりに邪魔するなと言いつつ、資料を持ってこいと指示する魁に彼女は「私は使い走りじゃない!」と言い放ち、按察使文庫を後にする。
その帰り、駅の階段で転落したあかりを一人の少年が助ける。
それは光明苑での火事の時に出会った人物だった。
彼はオキナガで、桔梗凪人と名乗り、自分は魁の兄だと口にした。
あかりは転落の際、足を挫いた凪人を実家の病院まで連れ帰り、父に足を治療してもらう。
父と彼との会話の中で、凪人が登録をしていないオキナガ、所謂「野良」だと分かり、あかりは登録するよう説得を試みるが、彼は登録してもロクな仕事につけないとそれを拒んだ。
あかりは職場に連絡し人を呼ぼうするが、それなら逃げると凪人は言う。
仕方なくその場での説得は諦め、彼と連絡先を交換する事にした。
翌日、職場に出たあかりは、竹之内と久保園に呼び出される。
凪人を説得できなかった事を、もう知られたのかと焦るあかりだったが、呼ばれた理由は別だった。
二人の話は羊殺し事件に深く関連していると思われる、伊集幸絵殺しの犯人の一人と目される男。
本条勇一、旧名雀城英了が見つかったという知らせだった。
その後、竹之内は久保園、魁、あかりの三人を連れ入院中の雀城を訪ねる。
彼は竹之内が名乗り彼の旧名を告げても、忘れたなと取り合わなかったが、按察使邸で起こった伊集幸絵の事件の事を話すと、興奮し、あれはまだ続いているのかと声を荒げた。
感想
この巻では羊殺しの実行犯と思われる、桔梗凪人こと茜丸が本格的に動き始めます。
彼はオキナガになったから、殺人鬼になったわけでは無く、もともと殺人鬼だったようです。
美しい少年及び少女の格好をした人物が、屈託のない笑顔で近づき殺人鬼に豹変する。
人当たりが良く、魅力的な人物であるからこそ、次々と殺人の標的を得る事が出来たのかもしれません。
まとめ
この巻では犯人の目ぼしも付き、協力者も集まってきました。
次巻では魁は茜丸と直接対決します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。