白暮のクロニクル 11 ビックコミックス
著:ゆうきまさみ
出版社:小学館
桔梗凪人(茜丸)は捕らえられ、あかりは無事保護されました。
桔梗との戦いで、重傷を負った魁は入院を余儀なくされます。
その病院で茜丸の事を呟く老人と魁は出会います。
羊殺しは桔梗一人の犯行では無かった。
もう一人の羊殺し、それは魁のよく知る人物でした。
あらすじ
茜丸の名を呟いた老人。
彼から話を聞くため、あかりはその老人、浜田武次郎に接触する。
そこで武次郎と一緒にいた別の老人たちから、意外な情報を入手する。
彼らは戦後間もない頃、茜丸と一緒に行動していた。
戦災孤児だった彼らは、かっぱらいで何とか暮らしていた。
茜丸はその頃も殺人を繰り返し、殺して奪った食料を子供達に与えていた。
グループの中の一人に「ボーヤ」と呼ばれる少年がいた。
桔梗はその少年を、とても可愛がっていたらしい。
あかりが老人たちから聞き出した彼の本名は「いじゅういちや」按察使邸で殺された、伊集幸絵の一人息子だった。
魁は市哉の事を竹之内に伝え、竹之内は老人達に話を聞くことにした。
彼らの話では、茜丸は戦災孤児だった老人達と出会った時には、すでに市哉を連れていたそうだ。
竹之内は収監されている茜丸に話を聞く為、拘置所を訪れた。
そこで市哉と茜丸の出会いを聞く。
彼らが出会ったの按察使邸。
そこで市哉は母親、伊集幸絵の遺体の前で、呆然としていたそうだ。
茜丸は市哉に、母親は眠っているだけだと囁き、後日、自分自身が蘇生する事で母親が生き返る可能性を市哉に示した。
蘇生を信じた市哉に、茜丸はある事を思いつき吹き込んだ。
幸絵は内臓をひどく傷つけられているから、蘇生させる為には新鮮な内臓を神にささげる必要があると。
羊殺しという特殊な事件の発端は、母の死を目撃した市哉と茜丸の出会いから始まっていた。
感想
羊殺しの動機、そしてもう一人の羊殺しの、意外な正体が判明します。
市哉は母親の蘇生が茜丸の嘘と気付きながら、それでも目の前で生き返った茜丸の姿が忘れられず、彼の犯罪を見逃し続けていました。
愛した人がいつか蘇るかも知れない。
彼はそれに賭けたのでしょう。
まとめ
物語はこの巻で完結です。
ただ、魁とあかりの関わった事件を、もっと読みたいと強く感じました。
特に最終話で、二人が話す雪深い寺での即身仏事件など、とても面白そうで興味を惹かれます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。