JKさんちのサルトルさん 2 モーニングKC
漫画:さのさくら
原作:大間九郎
出版社:講談社
美大志望の女子高生、巫マリオ(かんなぎ まりお)とその周辺の人間の悩みを、イルカな宇宙人に脳を犬の体に入れられた哲学者サルトルが言葉によって解決したり、しなかったりする哲学コメディ。
マリオの幼馴染の友人、カイリの弟、夕(ゆう)。
夕はその体格と見た目で不良な仲間達のリーダー的な存在となったが、 内面は気の弱い少年だった。
そんな夕の仲間内での立場を守る為、マリオは彼女のふりをする事になるのだが……。
登場人物
拓郎(たくろう)
漫画編集者
右目を前髪で隠したジト目の男性。
マリオの父イクオが持ち込みを続ける出版社の担当編集。
くるよ
イクオの妻(故人)
黒髪ロングで眼鏡の女性。
ドッグランでマリオ達が出会った少女
引き籠りで暗い顔の女の子。
周囲と比べ自分は可愛くないと落ち込んでいる。
ツンの飼い主。
あらすじ
夕の頼みを引き受けたマリオは彼の恋人として、夕の仲間と会う事になった。
そして当日、マリオを紹介された仲間の一人が二人の会話の不自然さに違和感を抱き、恋人ならばキス出来るだろうと迫る。
マリオはキスぐらいならと夕に唇を近づけるが、純情な夕はキスは好きな人とするものとそれを拒絶した。
その様子を見ていたサルトルは、性体験を嫌々するのは止めたまえと二人を止め、「セックスを舐めている」と性について語り始めた。
感想
今回はマリオが幼馴染、夕の彼女のふりをするお話から始まり、人とのコミュニケーションに難があるマリオの兄ミキオとバーベキュー、マリオの父イクオと漫画、かわいいに執着する少女等が収録されました。
その中でも今回はイクオと漫画についてが印象に残りました。
イクオはエロ同人で生計を立てながら出版社への持ち込みを続けています。
その持ち込んだ原稿を読んだ担当編集は、彼に自分は売れる物が欲しいんだと返します。
売れる作品。
流行りに乗り、読者に受ける物を自分のプライドを捨て描く事にイクオは躊躇しており、作中それをサルトルに見抜かれました。
「売れる為に血反吐を吐いて、靴を舐めてでも描いている作家に対する冒涜じゃないと言えるのかい?」
流行りに乗ろうして、それでもプライドが捨てきれない。
そんなイクオにサルトルは
「売れなくてもいいと言えるのは、売れなくてもいいと思える程、美しい作品を作った奴だけさ」
と話し、今の君と今の世界を、今の気持ちを見ろと助言しました。
エピソードを読んでいて、流行りに迎合するなら徹底的に、我を貫くならそれも徹底的に、中途半端が一番駄目って事なのだろうなぁと感じました。
まとめ
この巻のラスト、マリオの幼馴染で危ない雰囲気の少女、生(うぶ)が登場しました。
彼女がどんな事を引き起こすのか、サルトルは彼女に何を語るのか。
次巻も楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
漫画担当のさのさくらさんのTwitterアカウントはこちら。
原作者の大間九郎さんのTwitterアカウントはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。