ミステリと言う勿れ 8 フラワーコミックスアルファ
著:田村由美
出版社:小学館
ある雪の日、整(ととのう)は病院で知り合った女性、ライカと美術館を訪れます。
その客の疎らな美術館には怪しい男達がいて……。
登場人物
A、C、E
美術館にいた客を拘束し、殺害をほのめかしていた三人の犯罪者
サングラスに黒いマスクの黒髪、スキンヘッド、金髪の三人組。
美術館で何か重要な取引があった様だが、それを知っていたボスが意識不明になった為、客達の中から取引相手を探そうとしていた。
黒松修一郎(くろまつ しゅういちろう)
元学芸員
眼鏡に顎鬚の穏やかな雰囲気の老人
現在は引退し額の埃を払う為に美術館に来ているようだ。
水間由珠(みずま ゆず)
整が思わず声を掛けてしまった噂話をしていた者達の一人
セミロングの黒目がちな女性。
痴漢冤罪を行った女性が付き落された事件について、整に意見を求める。
鳩村一葉(はとむら いろは)
P・ピジョン前社長
飛行機事故により半年前に他界。
P・ピジョンは柿渋を使った防水加工から始まり、現在はバッグ、小物、ブルーシート等の製造販売をしているメーカ。
瓜生晃次(うりゅう こうじ)
P・ピジョン東京支社長
一葉の夫の弟、娘、有紀子と実都子にとっては叔父にあたる男性。
汐路(しおじ)経由で整に、社長の遺児である双子を見分けて欲しいと依頼する。
鳩村有紀子・鳩村実都子(はとむら ゆきこ・はとむら みつこ)
P・ピジョンの前社長、鳩村一葉の遺児
一卵性の双子でお互い頻繁に入れ替わる為、どちらが有紀子でどちらが実都子か一緒に暮らしている家政婦でも見分けが付かない。
畑中詩(はたなか うた)
鳩村の家の管理人をしている老婦人
彼女は家政婦の様な仕事をしており、夫の徹(とおる)は庭仕事等担当している様だ。
夫婦で家の管理の他有紀子たちの面倒もみている。
あらすじ
病院で知り合った女性、ライカと共に大鬼蓮美術館(おおおにばすびじゅつかん)を訪れた整。
絵に余り興味が無さそうなライカに、作品について説明しながら整は彼女と二人、美術館を回る。
ライカは絵自体には興味は無いようだったが、整の話は楽しそうに聞いていた。
そんな風に美術館を回り、ライカを休ませトイレに向かった整は、用を足して出た所で黒づくめの三人組が客を引き止めている場面に遭遇する。
その三人組の中の一人が客に尋ねる。
「“満月に” “頭を垂れて” “星降る夜” この下の句を知っているか?」
彼らに捕まっていた青年が知らないと答え、その場を去ろうとすると三人組の中の一人、スキンヘッドの男はその青年の首筋にスタンガンを当てた。
感想
今回は美術館での謎の取引、痴漢冤罪を起こした女が階段から突き落とされた事件、そして入れ替わる双子の冒頭までが描かれました。
その中で美術館の事件で黒松が語った、引き籠りに付いての整の答えが印象に残りました。
世間一般で引き籠りというと、マイナスの印象を受ける人が多いと思います。
ただ、作中、整が言っていた様に多くの人と会う事が苦痛という人もいる筈です。
社交的で人と会う事、話す事が喜びだという人もいれば、誰とも会わず一人、仕事や趣味に没頭する事に喜びを見出す人もいるでしょう。
ですが、一般的には社交的な方が、今は好意的に受け止められている様に思います。
人は一人では生きていけず、一人で生きていると思っていても、何らか他者が生み出した物の恩恵を受けていると思います。
そういった意味での社会との繋がりは生きていく上で必要だとは思いますが、過度に自分が苦痛を感じてまで人と接する必要は無いように感じます。
コロナの影響でリモートワークという働き方も現れ、全ての職種ではありませんが働き方も変化した様に思います。
パソコンとネット環境があれば仕事が出来るのであれば、引き籠って働く人がいてもいい様な気がします。
まぁ、実際会って得られる為人なんかの情報も多いとは思うのですが……。
まとめ
今回はライカについて非常にショッキングな情報が判明しました。
彼女が言う消えるという意味、その事を知った整はいざそうなった時、どうするのか。凄く先が気になります。
この作品は月刊fiowers公式サイトにて第一話が無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。