ダーウィン事変 5 アフタヌーンKC
作:うめざわしゅん
出版社:講談社
人とチンパンジーの間に生まれた交雑種(ハイブリッド)。
HUMANZEE(ヒューマンジー)のチャーリー。
そのチャーリーの母親であるチンパンジーのエヴァ。
彼女は死ぬ前にチャーリーにカードを使いメッセージを伝えていた。
それはチャーリー以外にもう一人、子供がいるというものだった。
登場人物
サラ・ユァン
ストラルド生物科学研究所の所長
黒髪ショートで眼鏡の韓国系の女性。
もう一人のヒューマンジー、オメラスの主治医。
ヒューマンジーを作り出した交雑実験の共同研究者。
ALAのテロによりチャーリーに注目が集まる中、スキャンダルを回避するため実験の主導者、グロスマン博士の行方を捜している。
オメラス
チャーリーの兄弟であるもう一人のヒューマンジー
チャーリーよりも人に近い容姿をしたヒューマンジー。
現在はチャーリーと互角以上の戦いが出来るほどの強さを持つが、元々は声帯が言葉を話すように出来ていなかったりと、様々な不具合を体に抱えていたようだ。
外科手術により、声の他、体の不具合を克服したようだが、その治療の副作用も残っている様子。
動物保護を訴える過激テロ組織、ALAの象徴として人々を扇動する。
アンドリュー・ダヴェンボート
ゴルトン社の代表取締役
黒髪細目の中年男性。
グロスマン博士の行方を捜しているサラは彼にアポを取り、博士の行方を尋ねるが……。
あらすじ
チャーリーの母親、エヴァが残したメッセージ。
チャーリーはカードを用いたそれを「Iam a mother of 2」だと読み解いた。
コーンバーグ霊長類研究所のファウラー博士はそのチャーリーの読み解きを偶然だと否定した。
出産には博士も立ち会っている。
それにエヴァは出産後、ずっと研究所から出ていない。
その期間の映像記録も残っている。
こっそり妊娠して出産なんて不可能だ。
だが、ALAのファイヤーベントが向かった先、薄暗い地下室ではその存在しないはずのもう一人のヒューマンジが、母親エヴァの墓に花を手向けようと出かける準備を始めていた。
感想
今回はチャーリーの遺伝子上の母親、チンパンジーのエヴァの残したメッセージから始まり、エヴァの墓参り、兄弟の出会いと対立、負傷したチャーリー、結ばれるチャーリーとルーシー、ALA再始動とチャーリー、ニューヨークへ旅立つなどが描かれました。
今回はその中でももう一人のヒューマンジ、オメラスとチャーリーの違いが印象に残りました。
オメラスは生まれた時、体に不具合を抱えており、失敗作として放棄されたようです。
それを外科手術で克服した現在も、苦痛に満ちた過去を忘れておらず、人間に対して激しい怒りを抱いているようでした。
暗い地下室で人生のほとんどを過ごした様子のオメラス。
差別はありながらも、義父母の下で愛情を与えられながら育ったチャーリー。
生と死。
真逆なものを求める二人のヒューマンジーがどんな結末を迎えるのか。
続きが楽しみです。
まとめ
オメラスを代理母として生んだチンパンジーの”ベータ”
そのベータについて知っているだろう、サラ・ユァン博士に会うため、チャーリー達はサラのいるニューヨークへと向かいます。
ニューヨークでどんな出会いがあるのか。
オメラスの下、動き始めたALAなど、色々気になります。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読み頂けます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。