漫画完結作品

しょうあんと日々。 第三巻 登場人物・あらすじ・感想

投稿日:2021年3月13日 更新日:

軍艦島
しょうあんと日々。 3
MFコミックス キューンシリーズ
著:桑佳あさ
出版社:KADOKAWA

廃墟の島、軍艦島で暮らす硝安ダイナマイトのしょうあん。
かつて沢山の人が暮らした炭鉱の島で生きる、人に憧れる彼女の日々を綴った作品、その完結巻。

広告

登場人物紹介

みーちゃん
灰色と白の毛並みの猫
しょうあんを仲間だと思ったのか、食事(ねずみ)を分けてくれたりした。
可愛い。

あらすじ

好奇心旺盛なうめは観光客と共に島を去った。
再び一人となったしょうあんは、今日も元気に島を探索し石炭を掘る。
そんなしょうあんの前に巨大な獣が現れる。

獣に怯え、吹き抜けの手すりの裏に隠れたしょうあんだったが、足を滑らせ落下してしまった。
この高さではいくら炭鉱爆薬でも助からない。

さくらの様に爆発も出来ず、うめの様に島の外に出る事も出来なかった。
こんな事なら、獣に食べられた方がマシだった。

そんな事を考えていたしょうあんを獣は空中でキャッチし、軽やかに着地。
彼女を地面に横たえるとその頬をペロペロと舐めた。

味見ではと怯えたしょうあんだったが、獣は彼女の体を優しく抱いて丸まり枕の様になって目を瞑った。
コロコロ喉を鳴らす様子に、これはいつか絵日記で見たペットという奴ではと気付く。

しょうあんが恐る恐る「みーちゃん……?」と話しかけると、獣は「ニャ」と短く鳴いた。

広告

感想

炭鉱爆薬の精? しょうあんの日々を綴った作品もこの巻で完結。
今回は猫との出会い、一人と一匹の毎日、そして別れ等が描かれました。

人の去った廃墟の島で一人暮らすしょうあん。
物語、冒頭は寂しいという感情を理解していなかった様子でしたが、この巻ではさみしいと声を上げて泣いていました。

猫が島を去り、また独りぼっちになってしまった彼女。
石炭の需要が無くなり、誰もいなくなった島。
そこで彼女はこれからも、ひっそりのんびり暮らしてゆくのでしょう。

個人的にはうめの様に島を出て、ひっそりこっそり、人間と暮らしている姿も見てみたかった気がします。

まとめ

廃墟には昔から何とも言えない寂しさを感じます。
かつては賑わっていただろう遊園地、緑に飲まれたホテル、展示物の無くなった美術館等。
そんなかつて多くの人が訪れただろう豪華な建築物達。

今は訪れる人も無く、ただ朽ちていくだけの物達。
やがてそれは倒壊し、自然に飲まれて消えていく。

そんな場所の写真を見たり、実際に行ってみたりすると、寂しさと同時に懐かしさや愛おしさの様なモノを感じます。

この作品はそんな寂しさと懐かしさ、そして愛おしさを感じる物語でした。

こちらの作品はComicWallkerにて一部無料で閲覧いただけます。
作者の桑佳あささんのアカウントはこちら

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのCassty1による画像です。
広告

-漫画完結作品
-, , ,

関連記事

チベタン・マスチフ

テンジュの国 第二巻 あらすじ・感想

テンジュの国 2 KCデラックス 著:泉一聞 出版社:講談社 カン・シバとモシ・ラティは、ラティのホームシック等もありましたが順調に想いを育んでいるようです。 あらすじ お使いの帰り、カン・シバ、ラテ …

観覧車

トシサン ~都市伝説特殊捜査本部第三課~ 第三巻 登場人物・あらすじ・感想

トシサン ~都市伝説特殊捜査本部第三課~ 3 イブニングKC 著:木村大介 出版社:講談社 都市伝説による被害を捜査・検証・解明する警察内の部署、都市伝説特殊捜査本部第三課の活躍をコミカルに描いた作品 …

寿司

バカレイドッグス 第二巻 登場人物・あらすじ・感想

バカレイドッグス 2 ヤンマガKC 原作:矢樹純 漫画:青木優 構成:津覇圭一 医療監修:茨木保 出版社:講談社 犬童兄弟が法外な治療費を請求し、病院を運営している理由。 それは意識不明になった母親の …

猫

猫が西向きゃ 第一巻 あらすじ・感想

猫が西向きゃ 1 アフタヌーンKC 著:漆原友紀 出版社:講談社 蟲師の漆原友紀さんの描くお仕事活劇。 フローと呼ばれる空間の揺らぎによっておこる、様々な現象に対処する業者「フロー業者」日々を描いた作 …

人形劇

ルート ~雪の王国 目覚める星たち~ 第二巻 登場人物・あらすじ・感想

ルート ~雪の王国 目覚める星たち~ 2 KCデラックス 著:秦和生 出版社:講談社 故国である南の国と結び、嫁ぎ先のノルン王国を売り渡そうとしている王妃。 その野望を挫くため、ノルン王国の王子エミル …

DMMコミックレンタル

広告
広告
田中
読んだ本の紹介等しています。
本を選ぶ際の一助になれば幸いです。