タイムスリップオタガール 8 ポラリスCOMICS
作:佐々木陽子
出版社:フレックスコミックス
リュータの妹、めいを庇いトラックにひかれたはとこ。
自分ならワンチャン過去に飛ぶだけ。
そう考えていたはとこだが、痛みを感じつつ意識は薄れていき、気が付けば2013年に戻っていた。
自分が変えようとしていた中学時代は消え、全てが元に戻ってしまった。
そう考えていたはとこの前にリュータが現れ……。
登場人物
トラオ
リュータの兄
娘は昔のめいにそっくり。
あらすじ
30歳のはとこの前に現れたリュータ。
彼はあの時のはとこに会いたくて待っていたと話した。
無くなってしまったと思っていた、やり直した中学時代。
リュータはそれを覚えていた。
祖母は亡くなり、描いた筈のネームノートも消え、卒業アルバムも根暗のまま。
やり直した過去は何も変わっていない筈……。
そう思い混乱するはとこに、リュータは一旦保留して出来事を纏める事を提案した。
はとこは自分が経験したタイムスリップについて話し、聞いてくれてありがとうでござると笑みを浮かべた。
そんなはとこに微笑みを返し、リュータは一冊のノートを取り出した。
それは無くなったと思っていたネームノートだった。
彼は高3の頃、そのノートを見つけタイムスリップし、過去をやり直していた方のはとこの事をゆっくりと思い出したのだという。
しかし、思い出したのはリュータだけで、友人は誰もはとこの事を覚えていなかった。
リュータ自身、この記憶が何なのか混乱し、受験や新生活の事で忘れていた。
だが去年、妹のめいが申し込んだコミュケのサークル名が、はとこのノートに絶対に買う本として書かれていた事に気付く。
コミュケに行けば、記憶の中のはとこに会えるかもしれない。
そう思ったリュータはめいのサークルの売り子として、コミュケに参加。
本を買いに来たはとこと会えたのだ。
「めちゃくちゃ大事な友達が…「はとこ」がいてくれて…本当によかった…」
リュータの言葉を聞いたはとこは、こみ上げて来た感情にポロポロと涙をこぼしながら、会いに来てくれてありがとうと号泣したのだった。
感想
今回は2013年に戻ったはとこと、何故かやり直した側のはとこの記憶を持つリュータとの再会から始まり、同窓会、再びマンガを描き始めたはとこ、挫折と復活、リュータには見せられない等が収録されました。
作中、2013年に戻ったはとこは変わらない日常に落ち込んでいました。
ですがリュータとの再会や友人のみのり達の存在で少しづつ元気を取り戻し、やがて彼女は自分がマンガを描く事が大好きなのだと気付きます。
上手く行かなくても止められない事、どうしようもなく好きな事。
それが人を前に進めていくんだな。読んでいてそんな事を思いました。
まとめ
1996年に戻ったオタクな女の子の物語もこの巻で完結。
キラキラした素敵なエンディングでした。
個人的には、リュータに意図せず想いを伝えてしまった事に気付いたはとこの顔が凄く可愛かったです。
この作品はCOMICポラリス公式サイトにて一部無料でお読みいただけます。
作者の佐々木陽子さんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。