八月九日 僕は君に喰われる。 2 バンブー・コミックス
著:tomomi
出版社:竹書房
幼少期からストーカー被害に遭っている少年、櫻井青(さくらい あお)。
彼には幼い頃、憧れ恋をした女性がいました。
その背の高い女性、八重が青の前に現れ……。
登場人物
八重(やえ)
背の高い帽子をかぶったロングスカートの女性
幼い頃、怪異に付きまとわれ、居場所の無かった青と一緒にいてくれた。
怖いけど大好き。ぽぽ、ぽぽっぽ。
調査員たち
死んだ目の愛煙家とマスク巨乳の二人組
怪異を監視し、管理しようとしているようだ。
使人(しじん)
不死の呪いを掛け怪異を生み出した男
何者か(多分、神?)の使い。
青が怪異に付きまとわれるのも彼が作った物が原因。
あらすじ
青は遠い昔の夢を見た。
その頃、彼は背の高い白い帽子の女性とよく一緒にいた。
だがその町を出てから彼女とは会っていない。
彼女は別れの時、言っていた。
「私は寂しくてたまらない。だから、何年かかっても、いつかこの道を辿って……必ず逢いに行く。そうしたら……」
数年前の思い出を夢に見たようだ。
起き出した青は昨夜は静かだったからと窓に目をやる。
そこには窓際で座って寝ている送り狼のミヤコがいた。
ボロボロの彼女の服と、自分の名を寝言で呟くミヤコに赤面しつつ青が台所に行くと、テーブルの上には千円札と昼ご飯代と書かれたメモが置かれていた。
母さんだって忙しいんだ。
そう心の中で自分を納得させ、昼間だしと彼はコンビニへ向かう事にした。
ミヤコを自分の布団に寝かせて、大丈夫と自分に言い聞かせながらコンビニへの道を歩く。
そんな風に怪異に怯えながら辿り着いたコンビニには、青のクラスメイト達が先客としていた。
今は丁度下校時間だった。
やっぱり出歩くんじゃ無かった。
そんな後悔をしつつ、少し遠いコンビニへ足を延ばそう。
そう思い裏路地に入った青に誰かが声を掛ける。
振り返った青が見たのは巨大な顔の女達だった。
昼間なのに!?
驚き尻もちを突いた青は思わずミヤコに助けを求める。
そんな青にもう大丈夫と髪の長い女が声を掛けた。
女は自分の帽子を青に被せ、少しの間、目を瞑っていてくれというと、怪異達を引き裂いた。
もういいよ。
その言葉を聞いた青が瞼を開くと、今日見た夢の女性、八重が少し痩せたか? と腰を屈め青に優しい笑みを向けていた。
感想
今回は青に執着する怪異の一人、八重が登場した他、怪異を見張る調査員の二人、そして怪異を作り出し、青が怪異に付きまとわれる原因を作った男、使人等の姿が描かれました。
この作品では様々な怪異、都市伝説等が美女の姿で登場するのですが、今回、作中で語られた使人の話で彼女達も元は人だったのでは、等と想像してしまいました。
使人の話によると怪異達は不死の呪いを掛けられており、一度死んでも何度でも蘇るみたいです。
その過程で段々と正気を失っていき、最終的には自らの死を求め彷徨うモノになる様でした。
ミヤコが送り狼なのも、自我が薄れその本性がむき出しになった結果なのかな? と今回、読んでいて不意に思いました。
まとめ
今回は八重という主人公、青を幼い頃から知っている怪異が登場しました。
青を巡って争うミヤコと八重。
昔の彼女と今の彼女、青がどちらを選ぶのか先が気になります。(そういう話では無い)
こちらの作品はWEBコミックガンマぷらすにて一部無料でお読みいただけます。
作者のtomomiさんのTwitterはこちら。
お読みいただき、ありがとうございました。