カラーレス 6 ボーダーコミックス
作:KENT
出版社:リイド社
コヴェデスを核にして顕現した赤き「色彩神」。
その赤い神の放つ光を見た智慧(ちえ)は忘れていた記憶の一部を取り戻す。
智慧はその記憶から、自分が目覚めた街「チュウドウ」に行けば何か分かるのではとアヴィディアに伝えた。
教団が智慧を狙う理由、その答えを得る為にアヴィディアと智慧はチュウドウを目指す。
登場人物
ゴウハラ
アンドロイドの開発者
自己復元する鉱物細胞を使った限りなく人に近いアンドロイド、智慧を開発した。
しかし人に近いという事は人以上の事は出来ないという事であり、倫理の問題も浮上し試作品の智慧以外作られる事は無く、プロジェクトは破棄された。
智慧を譲り受け、病弱な娘、カガミの看護師役に当てた。
カガミ
ゴウハラの娘
智慧に似た容姿の少女。
病気により入院している。
祖先病により顔が異形に変わってしまう。
あらすじ
廃墟の街、チュウドウに辿り着いたアヴィディア達は智慧が目覚めたという巨大な施設に入り込む。
その施設の一室で、沢山のスケッチブックの中に自分の名が書かれた物を見つけた智慧はそのスケッチブックの山から一枚の写真を見つけ出す。
二人の少女が写ったその写真は封じていた智慧の記憶を呼び覚ました。
智慧は鉱物細胞によって、人と同じ形、脳や臓器も人の物を模す事で作られた限りなく人に近いアンドロイドだった。
人と同様な事しか出来ないそのアンドロイドの研究開発は、倫理的問題もあり、意味がない物として破棄され試作品の智慧は開発者のゴウハラに引き取られ、娘カガミの看護師役に当てられた。
智慧はカガミを看護しながら、長く生きられないという彼女と共に思い出を築いていく。
そんなある日、地球をマーシパルスが襲い全ての電子機器を破壊、地上から色を奪い去った。
そして、マーシパルスを浴びたカガミは、その事が原因かは不明だが祖先病を発病、顔を異形へと変えてしまう。
ガガミの事は辞職した職員によって住民に伝わり、異形化を恐れた人々はチュウドウから離れて行った。
智慧はそんなカガミに寄り添い続けるが、父のゴウハラが教団に参加した事でカガミは信者の手によって火炙りにされてしまった。
感想
今回はチュウドウの街で起きた智慧の過去から始まり、教団のスパイだった色力学者アーノイに誘拐された智慧、智慧を追うアヴィディア、火炙りにされたカガミに宿った青き色彩神、智慧を取り込み復活する青き色彩神、アヴィディアと色彩神等が描かれました。
今回はその中でも智慧の過去が印象に残りました。
智慧が思い出した過去では、恐らく異形化の一番初めの犠牲者がカガミだったようでした。
人々は異形化を恐れ暴徒と化し、カガミを殺害しその後も異形化した人間を次々と殺害していました。
そしてそのカガミ殺害には教団が強く関係していた様です。
大きな災害、マーシパルスが起こり電子機器が破壊された混乱期から続く教団。
その教団に操られ異形化した者を排除しようとする人々。
そんな中で智慧だけが姿の変わったカガミに寄り添い、数百年が過ぎた未来でもカガミを受け入れ救いました。
智慧はアンドロイドでありながら、誰よりも人間であるように今回のエピソードを読んでいて感じました。
まとめ
色の力を巡る物語も次巻でいよいよ完結。
世界に色は戻るのか。アヴィディアは教団の野望を阻止出来るのか。
次巻も楽しみです。
こちらの作品はpixivコミックでも一部無料で閲覧できます。
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お読みいただき、ありがとうございました。