トクサツガガガ10
作:丹波庭
出版社:小学館/ビッグコミック
中村叶、27歳、OL、特撮オタク。
駄作鑑賞会を終え、仲間としての絆も深まった叶たち。
しかし、最近様子のおかしかった吉田さんにはある秘密が。
吉田さんの隠し事も発覚する第十集。
第93話 歴史の連鎖は負の連鎖
あらすじ
獣将王も後半戦に入り、情報の過密感を感じるようになった。
おもちゃを売るために、近年の特撮ではおもちゃの種類も増え、それを見せることに尺を取られ、物語に重要な情報はセリフで保管する形がとられる事が多い。
クリスマス前などは特にそれが顕著だ。
叶は職場で、小野田が飲み会が続き、疲れ気味だったを見て憤る。
生活のために仕事をしているのに、仕事のために生活を犠牲にしていたら本末転倒だと叶は小野田に言った。
しかし叶は別に小野田の事に憤ったわけではなく、昨今のおもちゃのためにお話があるという形が嫌だっただけだ。
それがたまたま、小野田の状況に重なっただけだ。
だが小野田は言う。飲み誘う上司や上の世代が間違っている訳じゃない。
確かに、長い間続けてきた結果として、今がある訳だが、それでも変える事は出来ないのか。
叶は北代さんに、革命は成功しないのかと嘆く。
北代さんは前からそうだと言ってるでしょとつれない。
確かにドルオタである北代さんは、アイドルのDVDについて似たようなことを嘆いていた。
彼女は好きなアイドルが、水着になったり、温泉に入らなくてもDVDを購入するが、売る側が裸は売れると思うため、裸のイメージDVDが発売されることを嘆いていた。
図式としてはこうだ。
1.裸じゃなくてもファンだからDVDを買う
↓
2.売れる
↓
3.裸は売れる(売る側の判断)
↓
4.裸のDVD
↓
1.に戻る。
北代さんは救いをもとめる叶に、救いじゃないけどと、ぬいぐるみを渡す。
彼女はUFOキャッチャーが得意で、そのぬいぐるみもUFOキャッチャーで取ったものだった。
叶は北代に獣将王のも取ってくれと言うと、簡単に言うなと怒られる。
北代さんは簡単に見えるのは、いままで自分が練習してきた成果で、結果だけ見ている叶には簡単に見えるだけだと言った。
叶は北代さんの言葉で、変わらず悪循環を続けているように見えても、少しずつでも戦いを続け、変わっていくんだと思った。
後日、小野田はとりあえずビールだけは回避した同僚たちに報告した。
彼が叶にも相談のお礼をと口にすると、叶は北代さんにおもちゃと作品のバランスについて熱く語っていた。
来年の今頃もおそらく彼女は同じ話をしているのだろう。
感想
上記のお話のなかの北代さんの話は、私にも覚えがあります。
仕事で、あるソフトを時間をかけて覚え、人から見ると一瞬で仕事が終わっているように感じるため、これもやってよ、簡単でしょと言われた事があります。
確かに私にとっては簡単に終わる作業でも、そこに行きつくまでの勉強時間は膨大にかかっています。
その時間は考慮されず、結果のみでみられることが多かったように感じます。
さて今回の内容は、集合写真、物語のその後、兄が恐竜に、クッキング、吉田さんの秘密などです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。