トクサツガガガ9
作:丹波庭
出版社:小学館/ビッグコミック
中村叶、27歳、OL、特撮オタク。
獣将王でお気に入りの敵幹部、アガタとカブトウンの二人が退場し、お通夜気分の叶。
以前迷い込んできた、クワガタ(リアル)の飼い主、健太と再会しクワガタが死んだことを聞かされる。
彼との会話の中で、長く生きることも良いが、心に何かを残す生き方も、あるのではないかと考えるのだった。
第86話 「視えない」コワサ
あらすじ
仕事帰り任侠さんの店に寄った叶は、彼にひどく怯えられる。
彼は和製ホラー作品「ウラノガッコウ3」を見直したらしい。
任侠さんは顔に似合わず、怖がりなのだ。
そんな怖がりの彼だが、子供の頃の思い出の映画ということでブルーレイボックスを購入したようだ。
叶は自分も予約していた事もあり、任侠さんに画質について尋ねた。
ブルーレイは確かに高精細だが、DVDのデータをそのまま流用しているものもあり、ソフトによって品質はまちまちなのだ。
しかも発送後にみたレビューは低評価だったこともあり、画質について気になっていたのだ。
先に見ていた任侠さんに感想を訪ね、少しでも傷を浅くしようとする叶。
任侠さんに画質は良くなってるし、中村さん次第といわれ、目は良い方だと店の外をみる叶。そこには怪しい人影が。
悲鳴を上げる二人だったが、いたのは店のおばちゃんと近所の女の子、カナちゃんだった。
二人が不気味に見えたのは、街灯が切れかけているせいだった。
おばちゃんは明るいLEDの街灯に変えて欲しいと言うが、カナちゃんは明るいと、ペットの兎、マロンが眠れないから暗い方がいいという。
二人との会話で、明るすぎるのも考え物とつぶやく叶に、任侠さんがそれですと言う。
どういう事か聞く叶に、任侠さんはDVDを見せ説明する。
DVDでは見えていたピアノ線が、ブルーレイでは消されているらしい。
他にもノイズが取れて、綺麗になっていたりすると彼は語った。
確かにホラーにおいては、画質の粗さが逆に怖さにつながっている部分もある。
結論として、DVDとブルーレイどちらも購入するということで決着した。
余談ではあるが、任侠さんが怖がりという事を知ったカナちゃんが彼を怖がらなくなり、怖い話を聞かせるようになった。
感想
今回はキャラクターの死、ソフビの着彩、俳優の引退、フリーマーケット、駄作観賞会などです。
あらすじを書いたお話での、DVDとブルーレイの画質の違いについては私も覚えがあります。
以前DVDで見た時は気にならなかった背景が、ブルーレイで見ると筆のタッチまで分かり、絵にしか見えないという事がありました。
今後、4K、8Kが一般的になってくると、今以上に作品の見せたくない部分、見たくない部分が見えてしまうのかなと感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。