えびがわ町の妖怪カフェ 6 ヤングアニマルコミックス
著:上田信舟
出版社:白泉社
えびがわ町での妖怪と料理に彩られた田舎暮らしもこれでおしまい。
まなと母親の事、そして佐吉の秘密も語られる最終巻です。
登場人物
まなの母
真面目な優等生タイプ、それゆえ、まなに普通を求めた。
その事がまなとの間に溝を作る事になった。
死神(男)
えびがわ町周辺を担当する死神
死神は死んだ人間がなるらしく、彼は千葉県出身。
死神としては新人らしく人間だった時の感覚が抜けきっていない。
死神(女)
死神(男)の先任
佐吉が探している人物の様だが現在行方不明。
人でも死神でも無い為、あらゆる縁が絶たれている。
あらすじ
母親と久しぶりに会ったまなは、大好きな母との再会を喜ぶ。
しかし、その後、えびがわ町で出来た友人である友理たちと出かけた寺での地獄絵の展示イベントで、思いがけず母の想いを白昼夢のような形で見てしまう。
子供の頃から女の子としての普通を押し付けられ育ち、仕事を続けている事を悪気の無い言葉で傷付けられ、同僚の言葉で自分の娘が普通では無いと思ってしまった母。
彼女はまなが変なモノを見たと言うののは、自分がまなを放っておいたからだと思い込んだ。
寂しさがまなに見えないモノを見せているのだと。
白昼夢の中の母は泣いていた。
まなはその事が気になり、夜、布団に入っても寝付けずにいた。
パジャマのまま庭に出て、虫の音を聞く。
自分が普通じゃ無いから、お母さんは泣いている。
そう思うと悲しみが溢れ、涙が止まらなくなった。
そんなまなに語り掛けるモノがいた。
「どうして泣いてるの」と尋ねるそれに、まなはお母さんに笑ってほしいと答えた。
昼間、思い出の花の写真を見ていた母は、とても嬉しそうに笑っていた。
あんな風に笑ってくれれば……。
それは「じゃあ見せてあげようよ」とまなを誘った。
まながいない事に気付いた母が、佐吉を叩き起こしていた頃、それに誘われてまなは山の奥深くへ入ろうとしていた。
感想
まなの九歳の夏休みもこの巻で終わりです。
沢山の出会いと思い出の詰まった夏の日々のお話でした。
この物語はまなの夏休みという事で、当然夏の話が描かれましたが、個人的には一年間通して見てみたいと感じました。
春夏秋冬、巡る季節とそれに関係した妖怪と料理。
のんびりしたえびがわ町の暮らしの中で、四季の移ろいを見たいなぁと思いました。
冬になると雪女とか出て来そうだし、かまくらとか楽しそう……。
まとめ
まなの笑顔と、豊かな自然がとてもほっこりする物語でした。
そういえば、猫又は表紙やオチとか色んな所にいるのに、一度も絡む事がなかったのは何でだろう?
この作品は白泉社公式サイトにて無料で試し読みが可能です。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。