月出づる街の人々 1 アクションコミックス
著:酢豚ゆうき
出版社:双葉社
西洋風の建物が立ち並ぶ街。
その街では様々な種族が普通の暮らしを続けていた。
登場人物
東はるみ(あずま はるみ)
透明人間
栗色ショートの女子高生。
押しが強くマイペースな性格。
狼男
はるみと同じ高校の男子
ツンツン黒髪でモミアゲな男の子。
ワーウルフな感じではなく、完全に狼となる。
はるみは彼のモフモフ具合に癒されているが……。
杉谷光彦(すぎたに みつひこ)
ミイラ男
お屋敷に住むミイラ男の少年。
中三で大学に飛び級出来る頭脳の持ち主。
ただ、彼自身はやりたい事は無く、飛び級も親の希望のようだ。
屋敷の窓から飛ぶ練習をしているドラキュラを見つける。
東翔太(あずま しょうた)
ドラキュラ、はるみの弟
黒髪眼鏡の少年。
光彦の家の近くの海沿いの崖で飛ぶ練習を続けている。
堀川ユイ(ほりかわ ゆい)
メデューサ、はるみの友人
緑色の鱗の蛇を頭に生やした女の子。
面倒見のいい姉御肌な性格。
はるみは彼女の頭部に生えた蛇の一匹、宗次郎(そうじろう)がお気に入り。
白井(しらい)
ナーガ
黒髪ロングで眼鏡の少女。
人見知りで引っ込み思案。
蛇仲間という事でユイと知り合う。
中山もち子(なかやま もちこ)
フランケン、はるみの友人
黒髪ショートのぽっちゃり女子。
穏やかで優しい性格。
あらすじ
ある大雨の日。
傘を忘れた透明人間の少女、はるみは同級生の少年から傘を差しだされる。
「俺、狼だから」
そう言うと少年は学ランのボタンをはずし、言葉通り狼となって鞄に服を押し込むと、雨に濡れるのも構わず駆け去った。
それがきっかけではるみは彼の毛づくろいをするようになった。
はるみにとっては動物セラピーな感覚で、モフモフな彼に癒されていたが同世代の女の子に撫でまわされる事に、少年は背徳感を感じていた。
後日、自分を犬としか見ていないはるみに少年は別れを切り出し、駆け去る。
あいつは俺にペットとしての感情しか持っていない。
これでいいんだ……。
「ワオオォォ~ン!」
街を見下ろす高台の上、少年の遠吠えが鳴り響く。
そうしてぼんやりと街を眺めていた少年の鼻がスンと鳴る。
『急に走り出すよね。あの雨の日とかもそうだったけど』
周囲に人影は無く、聞こえたのは声だけだった。
感想
西洋風の建物が立ち並ぶ街。
その街で暮らす異形の人々。
ただ、彼らはモンスターの特徴は持っていても、いたって普通の暮らしを送っていて……。
作品に登場する人々は、透明人間だからといって親も透明人間というわけではなく、違う種族が普通に生まれてくるようです。
主人公、はるみの母は悪魔?だったり、友人のユイの母親はミイラ、もち子の母はメデューサだったりします。
そんな世界だからか、種族の特徴は単なる個性として扱われており、人々は同じ種族が群れる等は無く、ごく普通の隣人として穏やかな日々を過ごしています。
とてもやさしくて、読んでいてほんわかしました。
まとめ
みんな個性的なんだけど、とても普通なのがすごく良かったです。
個人的にはユイの頭部の蛇、宗次郎のお話が印象的でした。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。