ブルージャイアントエクスプローラー 2 ビッグコミックススペシャル
作:石塚真一
出版社:小学館
後に世界的なサックスプレイヤーとして名を馳せる、宮本大の軌跡を描いた作品。
そのアメリカ編。
シアトルで出会った修理工、エディーに誘われ、かつて彼が組んでいたロックバンドと共にライブハウスのステージに立った大。
大の演奏を聞いた客たちの反応は真っ二つに割れ、絶賛するか、酷評するか、そのどちらかでした。
あらすじ
エディーとのライブも終わり、修理工場のボスが見つけて来たホンダ車、84型のシビックを当初の予定通り1000ドルで手に入れた大。
そのシビックでシアトルを立ち、彼の向かった先はシアトルの南、ポートランド。
その道中、大は一人のヒッチハイカーを拾う。
ジェイソンと名乗ったその男は、旅をしながらスケボーを楽しんでいる様だった。
プロのスケートボーダー? そう尋ねた大にジェイソンはプロは御免だと返した。
プロとして頂点を目指している大と、アマチュアとして自分の楽しさを優先しているジェイソン。
ポートランドに到着しジェイソンと別れ、いつもの様にジャズバーに向かった大は、ゆったりとビールを飲みつつジャズを聴いている客達を見て、楽しむ事を優先し、しのぎを削るプロの世界を否定したジェイソンの言葉を思い出していた。
感想
シアトルを離れ、大が次に向かった先は南のポートランド。
その街ではジャズは余り聞かれておらず、ロックやポップスといった音楽が好まれている様でした。
また、ジャズもゆったりと楽しむタイプの物が好まれており、大の様な強い音のジャズは聞かれていないみたいでした。
そんな街全体がのんびりとした、穏やかな街、ポートランドで大は演奏出来る場所を探し始めます。
今回、印象に残ったのはヒッチハイカー、ジェイソンが言った言葉でした。
彼は競争の激しいプロになるつもりは無く、スケボーを趣味として楽しんでいる様でした。
確かに趣味を仕事にすれば嫌な事、苦しい事も出て来る筈です。
ジェイソンの選択も間違っていないと思います。
ただ、大の好きな事を仕事にしてトップを目指すという生き方も、また間違っていない様に思います。
どの道を選択するのか、それはその人生を生きる個人の選択で、誰かに強要される物でも、こうしないといけないというルールがある訳でも無いと思うからです。
結局、何を選び何を為すかは自分自身が決めるしか無いのだな。
そして、それを許容してくれる社会であればいいな。
今回のエピソードを読んでいてそんな事を思いました。
まとめ
今回のラスト、これまでジャズ一直線だった大に、ほんの少しロマンスがありました。
彼女とは友人という形で別れた様ですが、アメリカでもヨーロッパと変わらず、彼は人と触れ合いながらファンを増やしていくみたいです。
大が次にどの街へと向かうのか、次回も楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。