エデン 2 ヤングキングコミックス
原作:NETFLIX
原案:Justin Leach
漫画:磯本つよし
出版社:少年画報社
Netflixで全世界独占配信されたオリジナルアニメーションシリーズ「エデン」のコミカライズ版、その完結巻。
人類が地上から姿を消して千年。
人間が悪とされるエデンスリーを逃れ、エデンスリーに適合しないロボットの避難領域で育った人間の少女、サラ。
彼女は荒野で見つけた巨大ロボットのコックピットで聞いた。
「助けて……エデンに来て……」
という声の主を探すべく、エデンスリーに侵入する。
そこで同じ声に操られたロボット、T53に導かれた先には「チューリヒ」と名乗るAIがいて……。
登場人物他
チューリヒ
エデンワンを管理するAI
コールドスリープで眠る3万5千人の人間を守る事が役目。
サラを呼んだのはコールドスリープ装置の限界が近づき、スリープを解除して欲しかった為。
解除は人間しか出来ず、解除の為にはパスワードが必要。
ウェストン・フィールズ
ロボット工学者
一巻にも登場した黒髪眼鏡の男。
サラと同じく偶然コールドスリープから目覚めた。
ジュネーブ
エデンスリーの管理AI
管理AIは権限が限定されているらしく、ジュネーブではエデンワンに干渉出来ない模様。
アシュリー
フィールズの妻
金髪の女性。
彼女もコールドスリープ計画「エデンプロジェクト」に関わった。
伝染病に感染しているらしく入院しており、フィールズと娘のリズとは離れて暮らしている。
あらすじ
助けてという声で、エデンスリーには自分以外の人間がいるかもしれないと思った人間の少女サラ。
彼女は相棒PJと共にエデンスリーに潜入した。
だが、エデンにいたのはチューリヒと名乗るAIだった。
チューリヒはエデンワンを管理しているAIで、エデンワンにはコールドスリープ状態の人間が約三万五千人収容されていた。
現在、そのコールドスリープ装置の限界が迫っており、彼らを救う為にはコールドスリープを解除する必要があるという。
しかし、チューリヒには解除の権限はなく、解除出来るのは人間だけ。
人間がパスワードを唱えないと解除プログラムは起動しない。
チューリヒはその三万五千人の命を救う為、サラに助けを求めたのだ。
「あなたがパスワードを解明し、34998人を目覚めさせて下さい」
34998人? チューリヒは3万5千人と言った。
残りの二人は?
サラがその事をチューリヒに尋ねると、ポッドは二つ開いているという。
自分と同じ様に目覚めた人間がいる!
チューリヒに誰が目覚めたのかサラは重ねて問い掛ける。
「IDナンバー34001、ドクター・ウェストン・フィールズ」
声と共に空中に黒髪で眼鏡の男性の顔写真が映し出された。
「ドクター・ウェストン・フィールズ……! この人はどこに……」
居場所を尋ねようとしたサラの後ろ、ガシャーンガシャーンと金属の足音が響く。
振り返ればエデンスリーの警備隊のロボットが。
「やばいっ! 見つかった!!」
逃げ出したサラはチューリヒが開けた扉を潜り、命からがらエデンからの脱出に成功するのだった。
感想
今回はAIチューリヒとサラの出会いから始まり、ドクターフィールズの行方、犬型ロボットエミリーを追って、フィールズの家と彼の記録、サラ捕縛される、ゼロとの対面、父母との別れ、エデンスリーからの脱出、フィールズの過去、ゼロとの対決等が描かれました。
その中でも今回はサラと父母、E92とA37との別れのシーンが印象に残りました。
警備隊に捕まったサラは、人間を世界を破壊する存在として危険視するゼロによって処分されそうになります。
E92とA37はそんなサラを守ろうとしてドローンによって、リプログラム(初期化)されてしまいました。
失われていく記憶。サラとの思い出。
ボディは残ってもサラを育て、心配し小言を言っていたE92とA37はもういない。
その最後の瞬間にも二人はサラの身を案じ、彼女が笑っている事を望みました。
二人は本当にサラの両親だったのだなとエピソードを読んでいて思いました。
まとめ
自然を破壊し争い続け地球を生物の住めない星へと変えた人間。
そんな人間を悪と断じ、排除しようとしたゼロ。
争いの絶えない今を見ているとゼロの思いも分かる様な気がします。
作中、語られた様にみんなが笑っている世界になって欲しい。
作品を読み終えてそんな事を思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こちらの作品は少年画報社の公式サイトにて冒頭部分がお読み頂けます。
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