スーパーカブ コミカライズ版 5 角川コミックス・エース
漫画:蟹丹
原作:トネ・コーケン
出版社:KADOKAWA
小説スーパーカブのコミカライズ版第五巻。
積雪により学校が休校になる等、冬真っ只中。
それでもカブに乗りその冬を楽しんでいる小熊(こぐま)と礼子(れいこ)。
そんな二人に憧れを抱いたクラスメイトの椎(しい)は父からもらったモールトン(イギリス製の小径自転車)で父母の営む店を自分好みにする為、買い出しに走り回っていたのですが……。
登場人物
杉江愛(すぎえ あい)
小熊と礼子がバイトしたKHC地域医療センターの職員
ユルフワロングに涙黒子の美女。
クールで凄く仕事が出来そう。
以前、小熊が配送のバイトをした際、お世話になった林先生の友人。
あらすじ
雪山でチェーンを装備して走ったり、医療品の配達をしたり、厳しい冬も小熊と礼子はカブに乗り走り回っていた。
そんな二人に追いつこうと、二人の友人の椎も両親の趣味で溢れる店に自分のスペースを増やす事を頑張っていた。
だが、小熊は椎の頑張りに危うい物を感じていた。
しかしそれを椎に伝える事が出来ないまま時は過ぎ、そして事件は起きる。
その日帰宅した小熊の携帯に椎から電話が掛かって来る。
電話に出た小熊の耳に「た……す……けて……」と途切れ途切れの椎の声が響く。
椎はその日、店の備品を購入した後、愛車のモールトンで帰宅中、近道をしようとねこ道(河岸段丘工事で作られた仮設道路)と呼ばれる未舗装で街灯もない道に入り、道の横を流れる川に転落してしまったのだ。
電話を受けた小熊の脳裏に様々な事が浮かぶ。
川の温度、椎の体力、凍死、救急車、先月の転落事故。
小熊は救急車では間に合わないと判断。
カブに乗り椎の下へと急いだ。
雪の残る未舗装の道でタイヤを取られながらも、小熊は椎が川に落ちただろう場所を見つけ出す。
カブから降り、折れた木の間を抜け雪の斜面を下って川に出る。
その視線の先には椎のモールトンが見えた。
近くにいる筈、小熊はそう思い川縁を下流に向かい歩く。
やがて彼女は川の中の岩に引っ掛かり浮いている椎を見つけた。
駆け寄り抱き起すと、抱き上げると椎はやっぱり来てくれたと小熊に返事を返す。
そんな椎に喋らなくていいと小熊は体力を温存する事を促した。
小熊は椎を川縁に運ぶと、礼子に連絡し椎の荷物とモールトンの回収を頼み、自身は小柄な椎をカブの前かごに乗せ部屋へと急ぐのだった。
感想
今回は椎の事故の他、小熊、礼子、椎の三人での春を求めての九州までの旅の様子が描かれました。
その中でもやはり椎の事故のお話が印象に残りました。
雪道や未舗装の道路、土の道はタイヤを取られる事が多くスリップする危険性が高いです。
私も雪の日など後輪が滑りヒヤッとした事は何度もあります。
バイクも自転車も車とは違いほぼ生身で操縦する乗り物です。
今回、椎は助かりましたが、もし小熊が彼女を探すのに手間取っていたら、椎は凍死していたかもしれません。
自動車の運転にも勿論注意が必要ですが、バイク、自転車はより一層の注意が必要だと今回のエピソードを読んでいて改めて思いました。
まとめ
この作品は小説版も読んでいるのですが、やはり小説では頭の中で上手く想像出来ない部分というのもある様に思います。
この巻の終盤、小熊達が九州で見た桜の花びらの舞う風景もそんな物の一つだと思います。
広がる空と海の青と淡い桜の花びら、カラーで見てみたいと強く思うそんなシーンでした。
この作品はComicWalkerにて一部無料でお読み頂けます。
原作のトネ・コーケンさんのアカウントはこちら。
漫画担当の蟹丹さんのアカウントはこちら。
小説のイラスト担当、博さんのアカウントはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。