スティグマ 1 ビッグコミックス
著者:井浦秀夫
出版社:小学館
二十五年前、穴黒組の鉄砲玉として敵対組織伝刀組の五代目組長強瀬嵐士(こわせ あらし)殺害容疑で実刑判決を受けた鬼束与(おにづか たすく)。
彼は服役中の傷害事件も含めた二十五年の刑期を終え、2019年、刑務所を出所した。
しかし、迎え入れてくれる筈の組は既に無く、服役中、手紙のやり取りをしていた舎弟、月波次郎(つきなみ じろう)を頼るも引っ越しし所在は不明。
更には暴漢に襲われ、服役中に貯めた金も奪われる。
伝刀組の報復と考えた鬼束は襲撃から逃れようと故郷へ向かうのだが……。
登場人物
鬼束与(おにづか たすく)
元ヤクザ
坊主頭のおじさん。
二十五年の刑期を終えシャバに戻って来た。
昔気質で見栄っ張り。
月波次郎(つきなみ じろう)
鬼束の舎弟
所属していた穴黒組が消え、当ての無かった鬼束は舎弟の月波を頼るも、引っ越しした様で行方が分からなくなっていた。
ユキ
黒髪ロングの美女
故郷に戻ったがヤクザであった事で実家に戻れず、山中で吹雪に遭い倒れた鬼束を助けた。
なんか人じゃないっぽい。
ママ
太っちょおばさん。
ユキ達、闇の住人に生活保護ビジネスとかやらせてる。
人外を人にする薬を持っている。薬には効果時間があるっぽい。
たぶん魔女。
姥井酉男(うばい とりお)
穴黒組二代目
四年前、組織名を穴黒組から図利央会(とりおかい)へと変えた。
この事で穴黒組は消滅。
引退していた先代が鬼束を想い穴黒組を復活させたが、鬼束の出所前に他界。
完全に穴黒組は消滅した。
あらすじ
故郷に戻った鬼束だが、二十五年の月日が経ってもヤクザだった過去は消えていなかった。
バスの中、乗客たちの囁きが否が応でも鬼束にそれを気付かせた。
人のいない所へ行きたい。
そんな思いはバス停に下りた鬼束の足を雪の積もった山へと向かわせる。
山中、願い通り一人になった鬼束を季節外れの吹雪が襲う。
ホワイトアウトな状況の中、睡眠不足と雪行軍で彼は力尽き倒れた。
そんな鬼束の前に髪の長い女の姿が浮かぶ。
その女の口は耳まで裂けていた。
感想
作品としては元ヤクザなおじさん、鬼束が自分が刑務所に入る事になった組長襲撃の裏にあった陰謀を何だか人外チックな少女、ユキと追うって感じのミステリーになるのでしょうか。
鬼束はいわゆる昔気質の極道を気取っていますが、見栄っ張りで損ばかりしているタイプ。
一方、人外チックな少女ユキは生きる為に悪事に手を染めていますが、根は純粋で優しい性格です。
ヤクザという裏社会プラスオカルト要素。
どっちも好きなテーマですが、主役の二人がどこかコミカルで暗い感じはあまり感じません。
なんにしても、先が気になります。
まとめ
この巻のラスト、鬼束が実は強瀬を殺害していなかった事が鬼束自身の口から語られます。
強瀬は誰に殺されたのか?
全ては二代目を襲名した姥井の差し金なのか?
闇の住人だというユキ達が鬼束にどう絡むのか?
次巻も読むのが楽しみです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。