太陽と月の鋼 4 ビッグコミック
著:松浦だるま
出版社:小学館
金属に触れない侍、竜土鋼之助(りゅうど こうのすけ)。
その鋼之助の母に恩があるという盲目の巫女(イチコ)、明(あき)。
二人は誘い込まれた小塚原の処刑場で虫使いの斑(まだら)に襲われるも、鋼之助の通力、金属を操る力と明の未来を見る力を使い撃退。
その後、傷付いた二人は鬼の面を被った少年、卜竹(ぼくたけ)達に救われる。
大川から舟で江戸を出る事になったが、その舟の上で明は未来の街を見てしまい……。
登場人物
高山嘉津間(たかやま かつま)
卜竹達の師匠
鼻の高い黒髪の男。
下総で医者をしている。
かつて天狗に攫われ帰ってきた。
五年前、通力を暴走させていた晴雄に力の使い方を教えた。
土御門晴親(つちみかど はれちか)
土御門家先代当主
穏やかな雰囲気のおじさん。
親馬鹿。
力を上手く使えない息子、晴雄の通力指南の為、嘉津間を呼び寄せる。
あらすじ
舟で江戸からの脱出を図った卜竹と斬念(ざんねん)に導かれた明は、その舟の上で未来の街、東京の姿を見る。
コンクリートで作られたビル群、山の様に高い櫓(スカイツリー)を見た明は見た事も無い風景に、我を忘れ飲まれそうになる。
一方、その頃、殺生石の封印を解けば、鋼之助の下に戻っていいと伝えられた月は自らの持つ力、時を戻す通力を使い殺生石の封印を解こうとしていた。
月の力は石の周囲で死んでいた獣を蘇らせ、そのまま時を巻き戻し若返らせ無へと返した。
その力は殺生石の時も戻し、石は真っ黒な毒気が噴き出し月を飲み込んだ。
その毒気は様々な動物を殺していたが、何故か月だけは殺さなかった。
感想
今回は冒頭、未来を見た明と時を遡らせた月から始まり、卜竹達の師匠、高山嘉津間、嘉津間と晴雄、土御門家の力の秘密、晴雄の二面性等が描かれました。
今回はその中でも土御門家、安倍晴明の血を受け継ぐ者達の持つ力についてが印象に残りました。
土御門家の力は陰陽の反転。
形あるものは壊れ、瞳は光を失い、死者は生者へとなる。
全てのモノの理を反転させる力。
晴雄はその土御門家の力によって、死から蘇ったようでした。
ただ、その事で彼の魂も反転してしまった様です。
エピソードを読んでいて、ペットセメタリ―を思い出しました。
(あれは死体に別の魂、悪霊が入り込むお話でしたが……。)
まとめ
元々は玉藻前だった殺生石。
鳥羽上皇を誑かした九尾の狐の力を得て、晴雄が何をしようとしているのか。
鋼之助は強大な力を持つ晴雄にどう立ち向かうのか。先が楽しみです。
この作品は、pixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
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