シメジ シミュレーション 2 MFCキューンシリーズ
著:つくみず
出版社:KADOKAWA
少しヘンテコな世界での頭にしめじの生えた少女「しじま」と、頭に目玉焼きを乗せた少女「まじめ」の高校生活を描いた作品、第二巻。
登場人物
すみだ
穴掘り部の先輩
お下げの高校二年女子。
いつもスケッチブックを持って何か描いている。
喋る事が苦手らしく、対話は基本、筆談。
描く絵は抽象的。
まじめ母
頭に目玉焼きを乗せた女性。
目玉焼きの大きさはまじめより小さい。
まじめの頭の目玉焼きは彼女からの遺伝らしい。
ちなみにまじめ父は目が悪い。
よみかわ
穴掘り部の先輩
頭に本を乗せた永遠の女子高生。
自称美少女。
本より重い物は持てない。
あらすじ
穴掘り部に入部したしじまとまじめ。
入部はしたが、それは一年は必ずなにかの部活に入らなければならないという消極的な理由だった。
そんな訳で余り部に顔を出していなかった二人。
そんなしじまとまじめが、久しぶりに部活の活動場所である北棟の裏を訪れると、顧問のもがみが掘っていた穴は暫く見ない間に大きさと深さを拡大させていた。
話を聞けば放課後はずっと穴掘りに当てていたらしい。
二人はそんな穴掘りにハマったらしいもがみから仕事を頼まれる。
その仕事は最近になって増えた服装の乱れ、頭部の装飾に関する物だった。
リストにはしじまとまじめの名も記してあった。
取り敢えず自分達の頭の装飾、しじまは頭に生えたしめじ、まじめは目頭に乗った玉焼きの理由をそれぞれ渡された紙にかき込んだ。
その後、校内を巡り、サメの被り物をしている人、タコと一緒にいる人などからそれぞれの理由を尋ねていくのだった。
感想
今回は穴掘り部の顧問、もがみが掘った巨大な穴がメインで描かれました。
美術教師のもがみは穴の開いたデザインにこだわりを持っている様で、自分では気づかないうちにそれを求め、地球に穴を開けようとしていたみたいです。
個々人のこだわり、理由は分からないけど好き、みたいな事は結構あるように思います。
それは色であったり形であったり、絵や文字を描く事、旅行や食事、ゲームやスポーツ等の趣味も突き詰めればやらなくていい事の様に思います。(食事については美味しい物を食べ歩くとか)
もがみにとってそれはドーナツ型のデザイン(彼女の造形物は円形に拘らず、例えば立方体の角にストラップを通す四角い穴が開いた様な、とにかく立体物に穴が開いている物)の物を作るでした。
誰かにやれと言われた訳でも無くやってしまう事。
多分それはその人にとって生きる意味の一つでは無いか。
この巻を読んでいてそんな事を感じました。
まとめ
やらなくていいけど、やらずにいられない事。
今回のもがみを見ているとその事の大切さを感じました。
意味が無くても意味がある。
人間の活動の殆どはそれを求める為に費やされている。
なんとなくそんな気がします。
この作品はComicWalkerにて一部無料でお読み頂けます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。