ブルージャイアントシュプリーム 2 ビッグコミックススペシャル
作:石塚真一
出版社:小学館
ジャズプレイヤー、宮本大の軌跡を追った作品です。
ドイツに渡った大は、偶然知り合ったクリスの助けにより、ライブを行う事が出来ました。
あらすじ
最初のライブは全てクリスの友人だったが、二度目のライブは人が倍以上に増えていた。
大は前回、国の違いや観客に届かせる事を考えすぎ、それが原因でスランプに陥ってしまった。
歩き続ける事で、それから脱し大はシンプルに力強く吹く事だけを考えた。
二度目のライブも観客達には良い反応を貰えた。
大はそれを機に仲間を探し、ミュンヘンを離れる事に決めた。
大は毎日、ジャズが演奏されている店を回り、バンドメンバーを探す。
しかし、彼の求める物をもったプレイヤーには中々出会えない。
彼の求めるプレイヤー。
一つは自分と違う物を沢山持っている事。
もう一つは自分と同じ物を少し持っている事。
テクニックはあった方がいいが、大事なのはそこじゃない気がすると大はクリスに語った。
感想
今回、大はミュンヘンを離れハンブルクへ向かいます。
向かった理由は、ハンナ・ペータースという、とても強い音を出す女性ベーシストと組む為でした。
彼女はベーシストとして、女性という事で受ける評価に強い憤りを覚えています。
男女関係なく、ハンナ・ペータースの音がどうだったかを純粋に評価して欲しい様に、読んでいて感じました。
またミュンヘンでクリスとの出会いが無ければ、大の旅は早々に潰えていたかもしれません。
クリスは大に旅行の途中で知り合った、ジョージア人の話をします。
彼はクリスが煙草を吸っていると、いつも一本くれと言います。
クリスはそれに応え、一本差し出していました。
ある時、煙草を吸いに出たクリスが、突然の腹痛で苦しんでいると、そのジョージア人は声を張り上げ助けを呼んでくれます。
それにより、病院に運ばれ何とか助かったクリスは、お礼に煙草をひと箱、彼に差し出します。
しかし、ジョージア人の男はそこから一本だけ抜いて、ありがとうと笑いました。
彼の語った煙草と腹痛の話は、困っている人に手を貸すのは特別な事じゃなく普通の事で、それに特別な見返りを求めない世界であって欲しいという願いのように感じました。
手助けされ、手助けするのが当たり前の世界、当然、感謝はしますが、軽くありがとうで終わり。
そして助けられた人がまた別の人を助ける。
その感覚が普通になればいいなと思いました。
まとめ
この巻ではミュンヘンからドイツ第二の大都市、ハンブルクに舞台を移し、大のバンドメンバーを探す姿が描かれました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。