トクサツガガガ4
作:丹波庭
出版社:小学館/ビッグコミック
中村叶、26歳、OL、特撮オタク。
ヒーローショーの鑑賞現場を、同僚の北代さんに見られてしまった叶。
目障りなのよ!と激しく敵意を向けられてしまう。
その時拾った北代さんのパスケースを見た吉田さんは、気がかりな事がある様子。
獣将王にも謎の戦士が現れ、展開が気になる第四集。
第30話~32話
あらすじ
北代さんが落としたパスケースのステッカーは、あるアイドルのものだった。
隠れドルオタ(アイドルオタク)であるなら、むしろ仲間ではないかと憤る叶に、吉田さんは飲み会の詳細を確認すべきだと提案する。
彼女の意見を受け、チャラ彦(川島)に確認すると、以前、特ソンを歌ったことが、北代さんには伝わっていた。
更に自分の行動を省みると、まるでオープンなオタクのような振る舞いをしていることに気付いた。
北代さんはオタクを公表している叶(北代さんの勘違い)に関わることで、自らもドルオタだと発覚することを恐れたのだ。
パスケースを職場の給湯室で、北代さんにステッカーについて尋ねながら渡す叶。
その時、北代さんの脳裏に過去の思い出がよみがえる。
以前の職場でも北代さんはドルオタであることを隠し、生活していた。
彼女にはネットで知り合った、みやびさんと言う女性がいた。
同じアイドルユニットのファンであり、関東に出てきているという彼女を、同僚たちとの飲み会に誘ったところ、北代さんが隠していることを知らないみやびさんは、暴露してしまう。
その場の感情でみやびさんを責めてしまい、それ以来、避けるようになってしまった。
また職場でも、アイドルファンであることを度々いじられ、やめて欲しいと言っても、一度渡った情報は消すことが出来ない。
さんざんいじられた北代さんは、精神的に参っていた。
みやびさんのメールにも返信せず、会社にも居づらくなってしまった北代さんは、好きだったはずのアイドルを見ると同時に、会社での言い訳を考えている自分に気付き、頑張ってニコニコしていることが嫌になってしまったのだ。
パスケースを渡した叶は自分も隠れオタクであると、伝え北代さんに何があったのかと聞いた。
何かあったらどうなのよと言う北代さんの言葉に、言いたくないなら、聞きませんと静かにフェードアウトするのだった。
出来る事はなにもない。北代さんのドアは開かれていないと悟った叶は、逃げてねぇし!と心で叫びながら一時撤退を選んだのだった。
数日たち駅のホームで叶は、北代さんから声をかけられる。
パスケースのステッカーが、ビーボーイズだとよく分かったわねと尋ねる北代に、友人に教えて貰ったと叶は答えた。
叶は獣将王のチェルダの言葉が蘇る。
独りぼっちのレイにチェルダは語り掛ける。
「ずっとずっと独りぼっちだったからわかるよ。仲間なんていないって思うのは楽チンだけど、誰も助けてくれないんだよ。」
叶は北代さんに言った。
自分も趣味の事がバレるのは嫌だし、近寄らないようにするのが、一番のリスク回避だと考えていた。
でもそれで周りを傷つけたり、自分も周りを頼れないのは、長く続かないと思うと。
北代さんもそんなことは分かってると、みやびさんと一緒にいた時の楽しさを思い出していた。
北代さんを追い詰めたのはみやびさんだったが、自分を外に連れ出してくれたのもみやびさんだった。
彼女は好きなものを好きと言っただけだ。
自分がいくら身を守りたくても、誰かを傷つけていい理由にはならない。
北代さんは叶に謝罪し、夜道は危ないと、鞄から出したケミカルライト(ライブなどで振る光る棒)をそっと叶の鞄に差し入れるのだった。
叶は北代さんが心を開いてくれたことを感じながら、駅のホームで注目を浴びつつ、いつまでこの棒は光るのかと考えていた。
感想
同僚の北代さんとも和解し、姪っ子のちさとちゃんや兄嫁のタカさん、モデラ―の野村さん、みやびさん等、新しい仲間も増えました。
任侠さんにも、同じ趣味の仲間が出来ました。
思いっきり下ネタを叫ぶ、兄ちゃんのライブ楽しそうです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。