トクサツガガガ3
作:丹波庭
出版社:小学館/ビッグコミック
中村叶、26歳、OL、特撮オタク。
職場の同僚をイケメンを餌に、特撮へ引き込もうとする叶。
彼女は戦略を考えてくれた吉田さんに渡す予定の食玩を、会社のロッカールームで落としてしまう。
その時は同僚がいたため後で探そうとするが、後ほど戻ってみると食玩は叶のロッカーに戻されていた。
第20話 気にしないと言われても…
あらすじ
食玩が自分のロッカーに戻されていたことで、疑心暗鬼に陥った叶は、職場に居づらくなり昼食は外で食べる事が増えていた。
カレーショップで同僚はいないと言われ、案内された席のとなりには、同じ会社の大塚課長がいた。
ギクシャクしながら大塚課長と会話する叶。
彼はヅラ疑惑があり、社内でも噂になっていた。
禿げている同僚でも隠していない者もいて、彼らは女子社員にも人気がある。
大塚課長自身、女子社員の会話を聞いて、カミングアウトするべきか悩んでいると叶に話した。
大塚課長の話を聞いて叶も特撮オタクであることを、同僚に打ち明けるべきか考える。
大塚課長は言おう思って言えないのは、情けないよねとしんみりと言う。
そんな大塚課長にシンパシーを感じる叶は、私も同じ状況だったら言えませんと答えた。
叶の心に殺人機械として作られた、エマ―ジェイソンのワンシーンが蘇る。
彼は人を殺すために作られたという事を、人々に知られることを恐れ苦しんでいたのだ。
叶は大塚課長に言う。周りは関係ない、大塚が嫌だと思うなら隠せばいい。
叶は思う。シリーズ同系列でも、世界観が違う。
大縄跳びでも、入るタイミングは自分で決めたい。
子供たちがエマ―ジェイソンに問う。
エマ―ジェイソンは何者なの?
いいロボットじゃないって本当なの?
本当のことを教えて。どうして隠すの?
僕たちの事信じてないの?
エマ―ジェイソンは言う。
僕もいつも言おうと思っている。
でも回路に負荷がかかって駄目なんだ。
ロボットだからかもしれない。
それに対して一人の子供が言った。
いま言えなくても、時間がたてば言える事もある。
それを聞いてエマ―ジェイソンは、言えるまで待っててくれるかいと子供たちに話すのだった。
言えないことは悪い事でも、情けない事でも、なんでもないと思います。
叶の言葉は大塚課長に向けたものでは無く、エマ―ジェイソンの感想に近かったが、彼の心には響いた。
そんな二人にカレーショップの店員が、ラッシーをサービスする。
二人はなんかよく分からないけど、良い事もあるとラッシーを飲むのだった。
実は店員の彼も頭髪に悩む一人だったのだ。
その後、大塚課長は禿を隠していない同僚二人に、打ち明ける事ができたと叶に写メを見せてくれた。
感想
今回もクワガタ(リアル)やおしゃれな同僚、劇場版をシネコンで、懐古怪人等、様々な強敵が叶の前に立ちはだかります。
さらに北代さんというオタク嫌い疑惑のある、同僚も現れ、叶の隠れオタクライフは大変そうです。
任侠さんの辛い過去の話が、個人的には良かったです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。