神食の料理人(かじきのりょうりにん) 2 ジャンプコミックス
作:鈴木小波
出版社:集英社
神食(かじき)と呼ばれる神の為の食べ物ではないかと言われる、空飛ぶ巨大な化物たち。
自分を庇い右腕を失った少女、九九一十六夜(くくい いざよい)の腕を治すため、癒しの力を持つ神食を付喪神ヒヒイロカネの力を借り、獲る事にした料理好きな少年八十八十八(やそや とおや)。
神饌組五番隊隊長、七五三イツツ(しの いつつ)のアドバイスで鋼の九十九神ヒヒイロカネと仲直りした十八の前に、神食の中でも存在そのものが天災になってしまった神迴魚(しんかいぎょ)が現れ……。
登場人物
みつめ
神食を狩り料理する組織、神饌組の組長
花冠で不思議な目をした男。
十八の前に南京そば(二郎系ラーメン)の屋台店主として現れる。
つっ君
みつめの相棒らしき猫?
阿僧祇もこ(あそうぎ もこ)
神饌組組長秘書役
お団子ツインテールスーツで眼鏡の女性。
あらゆるものに点数をつけるクール美女。
阿僧祇アタラ(あそうぎ あたら)
神饌組隊士
黒髪の少年(15)
もこの弟。
彼ももこと同じく色んなものに点数をつける。
山野夫妻
かつて新撰組に所属していた夫とその妻。
四十年前、新撰組の隊士だった夫は幕末のごたごたに巻き込む事を嫌い、当時恋人だった妻と別れた。
その後、四十年の時を経て再会、夫婦となる。
あらすじ
神饌組五番隊隊長、七五三イツツから指導を受け、付喪神ヒヒイロカネの力の使い方を学んだ十八。
そんな彼の前にその巨体で気圧を変え、嵐を呼ぶ神食、多足蛸の神迴魚が現れる。
イツツは巨大な神迴魚にも余裕の笑みを浮かべ、蚕な付喪神コダマの力で巨大な絹糸の藁人形を作りだし、神迴魚のもとへと飛んだ。
神迴魚が呼んだ土砂降りの雨の中、イツツを見送った十八の中に迷いが生まれる。
蛸ならこの前食べたし……僕が行かなくても……いいよな……。
「いいのか……?」
十八が迷う一方で、イツツは巨大な多足蛸と戦いを始めていた。
次々に足を断ち切り引くことを促すも、蛸は動かない。
それでもあきらめる事無く足を20本切り落としたところで、蛸に動きがあった。
だが、それと同時に大量の雨で起きた土砂崩れが麓の集落を襲う。
イツツは操っていた巨大藁人形を集落の前に下ろし、その体で土砂崩れをせき止めた。
土砂から集落を守ることで手一杯なイツツに向け、蛸の足が迫る。
「しまっ……」
その足を駆けつけた十八の振るうヒヒイロカネが断ち切った。
感想
今回は嵐を呼ぶ蛸の神食との闘いから始まり、付喪神の義手から力を引き出した十六夜、十八と十六夜、神饌組に入るため東京へ、神饌組組長みつめと二郎系ラーメン、お風呂で面接と金剛魚の話、老夫婦からの依頼とメカジキなどが描かれました。
その中でも今回は義手の力を使った十六夜の姿が印象に残りました。
第一巻の段階では、失った腕を取り戻すため十八が狩る神食を食べるだけだった十六夜。
しかしこの巻では十八を助けるために付喪神の義手に血を与え、その力の発露によって彼女は十八たちの窮地を救いました。
守られるだけのお姫様ではなく、相棒として動き始めた十六夜。
彼女の今後の活躍が楽しみです。
まとめ
十六夜は作品の最初から穏やかで優しい雰囲気を持ちながら、芯の強さも備えていました。
この巻では戦うすべを得たことで、それがより顕著になったように感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品は少年ジャンプ+で一部無料でお読みいただけます。
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