トクサツガガガ2
作:丹波庭
出版社:小学館/ビッグコミック
中村叶、26歳、OL、特撮オタク。
職場で趣味を隠しながら生きる叶であったが、プライベートでは吉田さん、ダミアン、任侠さん等のオタク仲間も少しずつ増え、彼女の特撮ライフは充実したものに変わっていった。
しかし、母の来訪で彼女の心は敗北感に打ちのめされるのであった。
第10話 理想の男性
あらすじ
母が来訪し、押しの強さから合鍵を渡してしまった叶は、敗北感で心が弱っていた。
普段なら断る登山の誘いを受けてしまったのも、それが原因だろう。
躓いた叶をガイドの男性が手を取って支える。
「大丈夫?」と問いかける彼の顔を見て、叶はときめいた顔を見せる。
その表情を見た同僚は、叶とガイドの男性をくっつけようと画策する。
叶に憧れている小野田は気が気ではないが、計画は進んでしまう。
叶自身、彼の顔をよく見たいと思っていた。
山頂で二人きりになった叶は彼の顔を見て、やっぱり間違ってなかったと確信する。
出会いは一期一会、これっきりと思って、大胆になった方がいいよ。
同僚の言葉に押され、叶は彼にお願いした。
「吠えてもらっていいですか…」
顔を赤らめて頼む叶に、ガイドの男性は戸惑いながら応えた。
山にこだまする雄たけびを聞きながら、叶は思う。
やっぱりこの人、シシレオー役の大地君に似てる。
叶の目には雪山で吠える獣将王のオープニングが映し出されていた。
特撮は約五十話、今はまだ登りの時間。
この時期の大敗退は、パワーアップやクライマックスへの、華々しい布石。
めげる事なんてないんだ。叶は彼にお礼を言って、晴れ晴れとした顔で山の空気を楽しむのだった。
感想
今回の見どころとしては、叶の心の叫び。
本を読みたい!テレビを見たい!帰って寝たい!は何故「用事」として認められないのか!でしょうか。
上記のセリフは土曜出勤で駆り出された、叶が合同イベント後の飲み会の誘いを、断れなかった時の気持ちを表したものでした。
皆でわいわい飲み会で騒ぐのが好きな人もいれば、一人でゆっくりする時間が至上の喜びの人もいると思います。
私も後者なので、強制参加の飲み会などは大変苦手です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。