漫画完結作品

チ。 ―地球の運動について― 第二集 登場人物・あらすじ・感想

投稿日:2021年1月17日 更新日:

惑星系
チ。 ―地球の運動について― 第二集 ビッグコミックス

作・画:魚豊
出版社:小学館

ラファウの死から十年後、フベルトから彼が引き継いだ箱を新たな人物が引き継ぐ事になります。

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登場人物他

オクジー
民間の警備組織に所属するいわゆる傭兵的な存在
長い黒髪を後ろでお団子に纏めた男。
昔、神父の話を聞いた事で星空が無数の目玉に見える様になり、以来夜空を見上げる事が出来なくなる。
仕事は決闘の代行を行う代闘士として戦う事が多いようだ。
身分は低い。

グラス
オクジーの同僚
火星の観測を日課としている。
彼にとって火星の動きは失った家族からのメッセージだった。

異端者の男
ラファウから研究を引き継いだ。
異端者としてC教から捌かれ移送される事になる。
オグジーに箱を託した。

バデーニ
修道士
隻眼で顔に傷跡を持つ男。
真実を追求した事で田舎の教会に左遷された。
数学、天文学に非凡な才を見せる。

あらすじ

民間の警備組織に身を置くオグジー。
彼は昔、神父から地球が宇宙の一番底にあると教えられた。
その事で彼には夜空が自分を見下ろす目玉の様に見えた。

それ以来、彼は怖くて夜空を見上げる事が出来なくなった。
そんな彼の相棒グラスは、毎夜、火星の動きを観測しそれを記録する事を日課としていた。

今日も仕事である代闘士として戦う前に、夜空を見上げグラスは火星の動きをノートに書きつけていた。

家族を失ったグラスは絶望の中、自殺を選んだ。
だが彼は生き延びてしまった。
その事で暗い日々を送っていたグラスだったが、ある日、夜空の星で固定された星座の中を動いている星がある事に気付いた。

彼は動く星の中でも観測しやすい火星を選び、真円を描く動きをしている事を発見する。
辛く苦しい世界でも完璧な物を見れる。
それはグラスの希望となった。

しかし彼のそんな希望は脆くも崩れ去った。
観測を続けて二年、火星はグラスが予想していた軌跡をズレ、惑う様に止まり、やがて後退を始めたのだ。
彼は惑星の逆行を知らず、完璧は無いと涙を流した。

そんな事があった後日、その日の仕事は代闘士では無く異端者の移送だった。

その異端者との出会いが、オグジーとグラスの日々を劇的に変える事になる。

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感想

この巻から主役を傭兵組織に身を置くオグジーに変え、地動説を巡る物語は続いていきます。

作中、地動説を唱えた者は異端者として一度目は拷問され改心を促され、二度目は火あぶりにより処刑されます。
それほど強くC教が天動説を人々に押し付けたのは、それが聖書に書かれた神の言葉だったからでしょう。

その神の言葉を否定する事、そしてそれが真実である事がC教にとっては非常に都合が悪かったのだと思います。
神は絶対で間違う事は無い、それを地動説は覆します。
そうなればC教の権威は地に落ちてしまうでしょう。

火あぶりと隣合わせの研究。
作中登場する人々がそれでも観測を続けたのは、彼らもまた神を愛し完璧だと信じたかったからだと伝わってきます。

彼らの言葉がいつ世界に認められるのか、先が楽しみです。

まとめ

作品はオグジーとバデーニを主軸として進んでいくようです。
ただ、異端審問官のノヴァクは代闘士をやっていたオグジーよりも強い様なので、オグジーとバデーニがノヴァクに殺されないか、ちょっと不安です。

こちらの作品はビッグコミックBROS.NETにて第1、2話が無料で閲覧いただけます。
作者の魚豊さんのTwitterはこちら

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのWikiImagesによる画像です。
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