ヴィーヴル洋裁店~キヌヨとハリエット~ 3 ビッグコミックス
著:和田隆志
出版社:小学館
黒の女王と呼ばれるファッション業界の重鎮、エリーシャ・エンディディ。
彼女の推薦で魔法王国王女のウェディングドレス制作のコンペに出る事になったキヌヨ。
彼女が連れて来られたのは王室が保有している「アイエイエ島」。
コンペの参加者はこの島でドレスの材料を探す過程で、ふるいにかけられるようです。
あらすじ
特殊な生態系が形成され、この島でしか取れない素材もあるというアイエイエ島。
キヌヨ達は見慣れない生き物が息づく島で、コンペ参加者と競い合いながら素材を探していく事となる。
最初の素材はワクワク。
果実の様に木に実り、地面に落ちると小さな裸の女性の姿で動き始める生き物だ。
ただ、彼女達は非常に恥ずかしがり屋で、他者の視線を感じると燃え上がり消えてしまう。
素材として得る為には島に隠れているワクワクを見つけ、燃やさない様に運ぶ必要がある。
クリストフをはじめとする候補者たちが一斉にスタートする中、キヌヨも相棒のハリエットの鼻を頼りにワクワクを探し始める。
やがて辿り着いた場所では、ワクワクは土に潜り姿を隠していた。
このまま掘り出しても燃えてしまう。
キヌヨは恥ずかしがり屋のワクワクが自ら出て来る様、彼女の興味を引く為、小さな服を作り始めた。
感想
今回は冒頭のワクワクから始まり、ウェディングドレスを作る為の素材集めの様子が描かれました。
登場した幻獣はワクワク、スフィンクス、火蜥蜴サラマンドラ、ミノタウロスにワーム等。
ジャングルに火山、そして魔法で作られた迷宮を舞台にキヌヨは様々な服をしたて素材を集めて行きます。
また、今回は重要なキャラクターである“ななしの魔女”が登場しました。
自らの魔力で様々な物を生み出せる魔女ですが、彼女は自分で作り出した世界を嫌悪している様でした。
豪華な舞踏会、そこに集う貴族達。
そして妹に似せて精巧に作られたホムンクルス。
その全てが偽物であり、彼女は島から出る事を許されない。
荒れる魔女の気持ちは何となくですが分かります。
自由のない一人ぼっちの暮らし。
どんなに偽物で周囲を埋めても本物の無い世界。
その状況に彼女には耐えられなかったのでは無いでしょうか。
まとめ
今回は溶岩に潜ったり、巨大なワームに襲われたりと危険を掻い潜りながらの素材集めでした。
次巻では、キヌヨ達が作っているドレスを着る事になる魔法王国の王女が登場する様です。
個人的には巻末予告に乗っていた、痩せたグリフォンたちの事が凄く気になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。