シネマこんぷれっくす! 6 ドラゴンコミックスエイジ
作:ビリー
出版社:富士見書房
春になり鰐人(がくと)も二年となり、新入生も入って来ました。
新たな部員も加わり、鰐人は映画製作を提案するのですが……。
登場人物
岡本喜七(おかもと ゆきな)
映画研究部の新入部員
花村と鰐人の仕掛けた映画トラップに引っ掛かり、映研に入部させられた。
癖の強すぎる先輩たちに少し引きぎみ。
上記の事で映研に入った事を後悔している。
宮川二郎(みやがわ じろう)
映画研究部の新入部員
宮川の弟。
シスコン
黒澤楽々(くろさわ らら)
黒澤の妹
映画好きだが姉の影響で素直にそれを認められない。
郷田四五郎(ごうだ しごろう)
柔道部のエース
花村に野良試合で負けた事で、彼女に執拗に勝負を挑む。
各話あらすじ
・第三の女(パルム・ドール受賞作)
進級し本格的に映画製作を始めたい鰐人。
だが黒澤たちは全員それを嫌がった。
そんな三人を説得する為、鰐人は映画を撮らないなら腹を斬ると自分を人質に彼女らに迫った。
・星の王子ニューヨークから来る(プリンス・オブ・レジェンド)
鰐人が腹を斬る振りで負傷した事で黒澤たちも折れ、映研は本格的に映画製作に乗り出した。
その為の脚本を宮川が執筆する運びとなった。
メインキャストはミスコン優勝者の花村と宮川の弟、イケメンの二郎が候補に上がる。
二郎がイケメンとは……と宮川は口にするが、アメリカに帰って、再度転校してきたアメリカ人、ジェームスがそんな事は無いと会話に割り込んできた。
・Mr.&Ms.死ね部(バディもの)
いよいよ映研以外の人々も巻き込んでの撮影が始まった。
メインは脚本の時に名前の上がった二郎と花村。
しかし宮川の危惧した通り、恥ずかしがり屋の二郎は演技に苦戦していた。
そんな二郎にヒロイン役の花村は、バディものの素質があると彼を励ました。
・暗黒撮影指令(チャック・ノリス・ファクト)
撮影の為に黒澤の祖父のコテージを訪れた映研と協力者たち。
鰐人達は湖畔近くの森の中のコテージというシチュエーションに否が応にも盛り上がる。
そう、湖畔、森、コテージとくれば登場するのは殺人鬼だ。
そんな風にはしゃぐ鰐人達の中、ホラーが苦手な小津は珍しく平然としていた。
彼女は自体を想定し予防として「ザ・サバイバー」を見てチャック・ノリスの加護をえていたのだ。
・4時30分、決断の時(西部劇)
撮影は完了し仮編集も取り敢えず終わった。
それを観た黒澤がいいんじゃねと言った事が鰐人には気に掛かっていた。
彼自身、作品の出来は無難という感想を抱いていた。
それなのに何も言わないのはおかしい。
黒澤が何も言わない理由、それは彼女の中学時代にあった。
・アタガワ・ガクト/一期一会(映画発表)
季節は巡り文化祭当日。
クラス・各部活の出し物で賑わう学校、小津は鰐人に告白しようと彼を校舎裏へ連れ出す。
しかし彼女が告白をしようとした瞬間、風紀委員に追われた黒澤が茂みの中から飛び出してきた。
・21歳の僕が映画を撮るまで(エピローグ)
高校を卒業し京都のつよつよ大学に入学した鰐人。
しかし彼は就職活動に苦戦していた。
勉強も出来、大学も優秀な名前の知れた大学に入った彼だったが、熱意に欠けると面接で尽く落とされていた。
就職活動で東京に戻った鰐人は友人の河津と再会し、彼と飲みながら破天荒な先輩たちの事を懐かしく思い出すのだった。
感想
様々な映画作品を取り上げ紹介してきたこの作品も、この巻で完結。
今回、鰐人は過去のトラウマから渋る先輩たちを説得し、映画を撮る事に成功しました。
この作品を読まなければ決して観なかっただろう映画が沢山あります。
そんな映画を沢山教えてくれた物が終わってしまうのは正直、悲しいというか困る、困るよというのが一番の感想です。
今回も読んでいてチャック・ノリスの「ザ・サバイバー」が凄く観たくなりました。
チャック・ノリス・ファクト、面白かったです。
まとめ
あとがきで作者のビリーさんも言っていた様に、新規加入した一年生たちのエピソードももっと読んでみたかったです。
終わってしまったのは残念ですが、ビリーさんの次回作に期待したいと思います。
この作品はComicWalkerにて一部無料で閲覧いただけます。
作者のビリーさんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。