雪女と蟹を食う 1 ヤンマガKC
著:Gino0808
出版社:講談社
全てに疲れアパートで首を吊ろうとしている男。
彼はテレビで見た番組で、レポーターが蟹を食べている所を観ます。
自分が今まで生きてきて、一度も蟹を食べた事が無い事に気付き、死ぬ前に蟹を食べようと、北海道で蟹を食べる事を思いつきます。
あらすじ
蟹を食べようとは決めたものの、所持金は四万と少し、旅費を払えば豪遊は出来ない。
偶然図書館でぶつかった清楚な美女の指に、高価なダイヤの指輪が輝いているのを見た男は、どうせ死ぬのだからと彼女から指輪を奪う事にした。
女の向かった先は高級住宅地。
落とし物を拾ったと装い、女の家に押し入った男は、そこで女と関係を持ってしまう。
事後、女との会話の中で自分が死ぬつもりな事や、その前に蟹を食べに北海道に行きたいと思っている事を話す。
女に謝罪し家を出ようとする男を女は引き留めた。
彼女は自分も蟹を食べたいと言った。
こうして犯罪者である男と、被害者である女の北海道までの旅が始まった。
感想
男が死のうとしている理由が、物語の中で少しずつ明かされます。
日常で起こり得る事で、同じような事で苦しんでいる人もいると思います。
やった方は遊ぶ金欲しさの軽い気持ちでも、やられた方は社会的に復帰する事が困難な状況に追い込まれる。
やったやらないは言った側が有利で、決定的な目撃者がいない限り証明は難しいでしょう。
男が原因となった対象を、憎み恐れるのも無理は無いと感じます。
まとめ
男は女と旅をする事で性欲では無く、別の部分で女に魅かれていきます。
ただ彼女は人妻、旅の終わりイコール別れは決定しています。
男が言う様に美しく、どこか冷たさを感じさせる女は、正体がバレればどこか遠い所に消えてしまう、雪女という表現がぴったりだと感じました。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。