おとなりに銀河 1 アフタヌーンKC
作:雨隠ギド
出版社:講談社
高卒で漫画家デビューを果たした久我一郎はその後、父親を亡くしその父が残してくれたアパートの家賃収入と原稿料で幼い妹弟の面倒を見ていこうと決意しました。
そんな一郎の下にアシスタントとして一人の美女がやってきます。
登場人物
久我一郎(くが いちろう)
漫画家兼アパートの大家
黒髪の恋愛経験の無い青年。
雑誌連載は持っているものの、それほど売れてはいない。
現在は少女漫画を描いているが、ときめきや恋が分からず苦戦している。
ペンネームはここねモモティ。
母親が家を出、父親が亡くなった事で幼い妹弟の面倒を見る事になった。
父が残してくれたアパートは共有部分のあるソーシャルアパート。
五色しおり
漫画家に憧れ島を出た女性
ロングヘアーのミステリアスな美女。
久我の漫画の大ファン。
お尻に謎の棘がある。
漫画家のアシスタントとして非常に有能。
久我まち(くが まち)
一郎の妹
おませな小学生。
兄を気遣うしっかり者。
久我ふみお(くが ふみお)
一郎の弟
物静かな眼鏡の少年
指宿ちひろ(さしやど ちひろ)
アパートの入居者
ショートカットの女子高校生。
一郎の従妹。
護国(もりくに)
一郎の担当編集
眼鏡で糸目の男性。
ホラー映画が好きらしい。
護国桃香(もりくに ももか)
一郎の幼馴染で漫画の師匠
黒髪ロングの姉御肌の女性。
「獅子の拳士」というバトル漫画を描いている。
ペンネームは肉塊(にくかたまり)。
一郎の担当である護国は旦那。
あらすじ
漫画家と大家の二足の草鞋で、妹弟を大学まで行かそうと頑張っている青年、久我一郎。
彼はその日、明後日、七時の締め切りが迫る中、ペン入れの終わっていない原稿を十枚抱えかなりテンパっていた。
アシスタント達が次々とデビューし現在、一郎は一人で作業に当たっていたのだ。
そんな一郎に担当からアシスタントが見つかったと連絡が入る。
土地勘が無いというそのアシスタントを、一郎は天の助けと喜び勇んで迎えに出た。
並木道にいたのは黒いワンピースを着た美しい女性だった。
少したじろぎつつも、締め切りに追われた一郎は早速その女性五色しおりを仕事場へと案内し仕事を割り振った。
彼女はとても仕事が早く、その上、上手く綺麗な線を引いた。
これは絶対間に合うやつだ!
その後、一枚ラフのままの原稿が見つかる等、トラブルもありながらも、一郎はしおりの手助けにより何とか締め切りまでに満足のいく物を描き上げる事が出来た。
原稿を封筒にいれホッとした一郎は一瞬寝落ちしてしまう。
意識を取り戻し部屋を見渡すと、しおりも座椅子を枕に床で寝ていた。
その彼女の腰のあたりに棘の様な物が刺さっているのが見える。
まさかGペンが刺さった!?
慌てた一郎はその刺さった何かを抜こうと手を伸ばす。
しかし、それはペンでは無く本当に棘だった。
その棘で一郎は指を刺してしまう。
その直後、目を覚ましたしおりは厳しい表情で一郎に詰め寄ると、あなたとわたくしの棘が繋がってしまいましたと話し、一蓮托生の契りを交わしたことになりますと続けた。
感想
不思議な逸話を持つ島からやって来た宇宙生物と同居する美女と事故で婚姻関係を結ぶ事になる。
この作品はそんな所から始まります。
作品のヒロイン、五色しおりは祖母の時代に落ちた流れ星に付着していた生物が体内に同居しており、それによって生えたお尻の棘を介して他者との繋がりを持つようです。
繋がりは基本、結婚相手としか持たず、一郎は棘に触れてしまった事で図らずも彼女と結ばれてしまいました。
そんなSFなお話ですが、内容的には流れ星の民の姫として、閉鎖的環境で育ったしおりが恋愛経験は無いものの、誠実で優しい一郎に魅かれていき、また、一郎も世間知らずで一生懸命なしおりに想いを寄せるといった恋愛と生活を中心とした物となっています。
初心な二人の様子が見ていてとても可愛いです。
まとめ
次巻では二人はデートに出かけるようです。
どんなデートになるのか読むのが楽しみです。
この作品はpixivコミックにて一部無料でお読み頂けます。
作者の雨隠ギドさんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。