セクシー田中さん 1 フラワーコミックスアルファ
著:芦原妃名子
出版社:小学館
昼はコミュ障ですが優秀な経理部員、夜はセクシーなベリーダンサー。
二つの顔を持つ40歳独身女性、田中さんとその周囲を描いた作品です。
登場人物
倉橋朱里(くらはし あかり)
派遣OL
23才の可愛い系女子。
給料の低さから一生一人で生きる事に不安を感じ、彼氏ゲットからの結婚という流れに乗る為、本性を隠し合コンに勤しんでいる。
同僚の田中さん(40)の変化が気になっている。
田中京子(たなか きょうこ)
朱里の勤める会社の経理
化粧っけが無く、眼鏡に黒髪ロングの髪を後ろで一つに纏めたコミュ障な女性。
TOEIC 900点超え、税理士の資格を持ちとても仕事が出来る。
40歳独身。
夜は別の顔を持っている。
笙野浩介(しょうの こうすけ)
銀行マン
36歳、都銀に勤めるハンサムな男。
女性にはいわゆる大和撫子タイプを求めている。
思った事は歯に衣着せず率直に言う。
小西(こにし)
笙野の友人
朱里が参加した合コンに友人の笙野を呼んだ。
チャラい広告マン。
友人より女性を優先するタイプ。
軽薄だが根は悪い人間ではない、多分。
進吾(しんご)
朱里の友人
朱里は彼に恋しているが、進吾はあくまで友人として都合のいい関係を求めているっぽい。
朱里とは一度寝た。
なんか好きくない。
三好(みよし)
ペルシャ料理店のオーナー
陽気な長髪のおじさん。
全ての女性は美しいというポリシーの持ち主。
既婚者。
あらすじ
派遣OLの倉橋朱里(くらはし あかり)は経理部の田中さんの事がなんとなく気になっていた。
以前は暗く仕事だけな猫背で眼鏡の女性だったが、最近になって急にスタイルが良くなり歩き方も変わったのだ。
その事とは別に朱里には強い結婚願望があった。
派遣OLとして就職はしたが、給料は安く一生一人で生きていく事は出来ないと感じたからだ。
求める男性はある程度の収入があり誠実で冒険しない、安全安心な人だった。
その日もそんな男性との出会いを求め朱里は合コンに参加した。
しかし合コンにいて目についたのは、笙野という銀行マンと小西というチャラい広告マンだけだった。
その笙野は席を外した時、朱里達の事を絶対遊んでる、男に媚びてつかまえる事しか考えていないと酷評し店を出て行った。
笙野が帰る際落としたボールペンを拾った朱里は、一応小西とラインを交換した。
後日、友人達と訪れたペルシャ料理店で朱里はベリーダンスのショーを見る。
ダンサーたちのセクシーな踊りを見ながら、朱里は笙野が言っていた言葉を反芻していた。
はしたない。
絶対遊んでるだろあいつ等。
確かに合コンには行っているし、媚びているという自覚もある。
でも遊びで寝た事はないし……男友達泊めている時点でアウトかな。
気分が落ち込みモヤモヤして来た朱里を他所に、Sali(さり)というダンサーが踊り始める。
スリムで長身のそのダンサーを見て、朱里はここまで開き直れたらすがすがしいのにと羨ましさを感じた。
Saliはその後、客席を周り手にしたベールを客たちの首にフワリと掛け始めた。
やがて朱里の席にも回ってきたSaliはベールを掛けて朱里を見た瞬間顔色を変える。
そのダンサーSaliは朱里が気になっていた経理の田中さんだった。
感想
会社では仕事一筋のアラフォーOL田中さんが、夜はセクシーな衣装を身にまといベリーダンスを踊っている。
それを知ってしまった派遣OLの朱里は……。
という感じで物語は始まります。
ストーリー的には田中さんのファンになった朱里が微妙な関係だった男友達、進吾と離れ田中さんを追いかける事で変わっていくといったコメディタッチの作品です。
主人公は朱里なのですが、彼女はどちらかというと読者の分身の様な感じで朱里の目を通して田中さんを追うスタイルで物語は進行して行きます。
ベリーダンスというセクシーな踊りを舞いながらも、内面はシャイで純粋で努力家な田中さんがとても魅力的な作品です。
まとめ
朱里、田中さん、ついでに笙野がストーリーの進行によってどんな風に変わっていくのか。
先がとても楽しみです。
この作品は小学館公式サイトにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。