台所のドラゴン 4 MFCジーンピクシブシリーズ
漫画:みよしふるまち
原作:縞田理理
出版社:KADOKAWA
森林警備官のミラクの助けもあり、ドラゴン(トカゲちゃん)は順調に成長を続けていました。
そんな中、“のの”の留学先の国は民主化の動きが強まり……。
登場人物
オレル
ののが絵画を学ぶ大学の教授
“のの”の師であり情勢の不安定となった国でののが家を失った際、彼女の絵を預かった。
あらすじ
ののが留学した国。
東欧のその国ではののは気付いてはいなかったが、国民は生活に息苦しさを感じている様だった。
彼女の通う大学でも学生達の現政権に対する抗議運動がおこり、授業は休校になる事が多くなっていた。
そんな情勢の中、この国に卒業後も残りたいと言ったののに、お隣さんであるスラヴェナや森林警備官のミラクはやんわりと日本に戻るよう促す。
スラヴェナは迷っているののに自身の過去を話した。
彼女が今のののよりも若い頃、同じ様な運動は起きていた。
その時、彼女は運動に参加した大事な人を失っていた。
その人を奪った戦車はまだこの国にいる。
よく考えた方がいい、そう言ったスラヴェナの言葉を胸にののはトカゲちゃんの下を訪れた。
トカゲちゃんの洞窟には彼の鱗が落ちていた。
最後の成長の扉が開く時、そしてののがこの国を去る時が同時に近づいていた。
感想
この作品はこの巻で完結です。
物語の端々で共産主義国家的な物は感じていましたが、“のの”の周辺は比較的穏やかでのんびりしていたので、まさか完結巻でこんな展開になるとは思いもしませんでした。
ののは政府の奨学金で学費や生活費を賄っていたらしく、住んでいた家も政府から貸し出されていた物でした。
なので、彼女は国民が感じていた息苦しさに気付いていなかった様です。
何となくですが、やはり自分の生活が困窮しないと、人はその立場にいる人の苦しみをリアルに感じる事は出来ないのかもしれません。
今回読んでいてそんな事を感じました。
まとめ
作中、民主化運動が始まり、色々きな臭い感じはありましたが、最終的にはとても気持ちのいいエンディングでした。
オマケとして収録されていた“のの”の逆バージョン、日本に来た留学生が龍(東洋の龍)と暮らす話ももっと読んでみたいと思える作品でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。