テンジュの国 5 KCデラックス
著:泉一聞
出版社:講談社
婚約者のカン・シバとラティの二人を中心に、チベットでの素朴ながらも暖かい生活の様子を描いた作品。
そんな物語もこの巻でフィナーレ、今回は二人の結婚式の様子が描かれます。
あらすじ
二人の結婚式も迫り、周囲は慌ただしく式の準備を進める。
しかし、カン・シバとラティはお互い式を楽しみにしながらも、相変わらずのマイペースで生活していた。
式に出す料理の試作、ラティの兄との顔合わせ、祖父の帰郷などありながら、結婚式の幕が上がる。
式には医師としてカン・シバが助けた人達も多数集まり、二人を祝福してくれた。
感想
今回は結婚式の準備を中心にチベットにおける部族の違い等も織り交ぜつつ、お話が展開していきました。
ただ、カン・シバもラティも喜びつつも通常運転だったので、式が迫りながらもやっている事は普段通り(式の準備で更に忙しい感じでしたが)でした。
(カン・シバ、自分の結婚式なのに直前まで二日酔いの薬ずっと作ってたし)
カン・シバは困っている人を放っておけないし、ラティはそんなカン・シバを信頼しそして誇らしく思っているようでした。
毎回の事ですが好きな物語が終わってしまうのはキャラクター達が幸せになり、物語として完成されたと分かっていてもやはり寂しさを感じます。
この作品を読まなければ、チベットの食文化や生活のスタイル等を知る事は無かった様に思います。
自然を利用した医療については勿論ですが、食について思い込みでもっと素朴な物を想像していたので、描かれる食べ物がどれもとても美味しそうな事が意外でした。
色々な料理が登場しましたが、個人的には一巻で描かれたミートパイ「シャパレ」(小麦粉の皮でアンを包み油で揚げた料理)がとても気になりました。
まとめ
チベットの生活・文化がとても丁寧に描かれた、美しくて優しい物語でした。
この作品を手に取ったのは、カバーの美しさに魅かれたのが切っ掛けでした。
登場人物の纏う色彩豊かな服や、チベットの美しい自然を再現したフルカラー版が欲しいなと妄想してしまいます。
この作品はpixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。