テンジュの国 2 KCデラックス
著:泉一聞
出版社:講談社
カン・シバとモシ・ラティは、ラティのホームシック等もありましたが順調に想いを育んでいるようです。
あらすじ
お使いの帰り、カン・シバ、ラティ、ペマの三人は行き倒れの男に出会った。
カン・シバの見立てでは、男は高山病にかかっており、命の危険はない様子。
カン・シバは男に薬を飲ませ、下山する事を勧めるが、男は事故に遭った姉に会うため、どうしても山を越えたいと言う。
カン・シバは男を助けたいと話し、馬で山を迂回するルートを提案する。
ペマが遅くなる事を村に伝え、カン・シバはラティと二人、男を馬に乗せ彼の姉の住む村へ向かった。
道中で薬を作りながら、村に辿り着くと、姉の家から出てきた村人達が気の毒にと口にしていた。
男がフラフラと家に近寄ると、彼をたくましい腕が掴んだ。
男は家の中に引きずり込まれ、悲鳴を上げた。
恐る恐るカン・シバが家を覗くと、男は屈強な女性に抱きしめられていた。
彼の姉はピンピンしており、どうやら小屋を解体していたら、瓦礫の下敷きになり、全身打撲を負ったが、もうすっかり治ったらしい。
彼女の後ろでは、目に青タンを作った男が寝台で寝ている。
後ろの人どうしたの?と男が尋ねると、姉は怪我で動けない時、浮気した夫よと迫力ある表情で答えた。
村人たちが気の毒にと言っていたのは、姉では無く夫の方だったのだ。
男はうつろな目で、姉が元気で申し訳ないとカン・シバに謝罪した。
それに良かったじゃないですかと返し、カン・シバは夫に薬をぬり、姉の家を後にした。
三人に感謝され、家を去ろうと馬に乗ったカン・シバは、ラティに手を差し伸べ彼女を馬に引き上げた。
その予想外の力強さと、命を救おうとする彼の姿を思い出し、ラティは彼の服をギュッと掴み、頬を赤らめ笑みを見せた。
感想
今回はあらすじで書いた話の他、老夫婦、二日酔い、根無し草の男、カン・シバの幼馴染等が収録されています。
どの話も、チベットの習慣が描かれており、とても興味深いです。
まとめ
巻末には、道具や習慣などの開設がイラスト付きで紹介されています。
この作品はpixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。