ふたりソロキャンプ 8 イブニングKC
著:出端祐大
出版社:講談社
厳とのふたりソロキャンプを始め、楽しそうな雫を見て友人のさやと瑞希は三人でキャンプに行こうと言い出します。
今回はその女子三人のキャンプの様子が中心に描かれました。
あらすじ
さやと瑞希と行くキャンプの為に道具を購入した雫たち。
その予行演習としてさやの父親の持ちビルの屋上で、キャンプの予行演習のバーベキューを行う事にした。
炭火を熾し肉を焼き、更に市販のピザにトッピングを乗せ焼いた具沢山ピザもさや達に好評だった。
しかし雫は今度の三人で行くキャンプが、コテージを使う予定である事が気になっていた。
厳はテントを使い焚火を熾し、空の下で眠る事にこだわりを持っている。
そんな彼に快適なコテージを使うと言ったら、そんな物はキャンプでは無いと言われるのではと懸念していたのだ。
後日、その不安を拭いされないまま、雫は厳に友人達とのキャンプの予定を話した。
怒られると思っていた雫の予想は外れ、彼の反応は良いんじゃねぇのと思いの他、平坦な物だった。
思わず意外でしたと呟き、寛容的というかこだわりないんですねと続けた雫に、厳はこだわりあるに決まってるだろと返した。
厳は言う。
俺のこだわりは俺だけのもんだろ?
自分だけのもんだから、こねくり回した土くれが輝いて見えるんだよ。
他人の土くれまで口を出すより、自分の土くれこねくり回している方が俺は楽しいね。
それに人がいじって楽しんでいる粘土にけちつけたり、勝手にいじろうなんてな。
俺にゃとても出来ないな。
だからまぁ……お前も気にせず楽しんできていいんじゃないか?
厳の言葉を聞いた雫は笑みを浮かべ「はい」と元気よく答えた。
感想
今回は以前、さやと瑞希と約束していた女子三人でのキャンプがメインで描かれました。
また、厳とのキャンプでは居酒屋風のメニュー、ホットサンドメーカーにダッチオーブンと雫の料理とグッズもどんどん充実してきました。
そんな中、今回印象に残ったのはあらすじで書いた厳の言葉です。
キャンプに限らず、誰しもそれぞれ趣味の一つや二つはあると思います。
趣味だからこそ自由であるべきで、楽しみ方も人それぞれでいいと思います。
それに他人を自分の思う様に変えようとする事は、傲慢以外のなにものでもなく、その誰かの個性を消すことに他ならないと思います。
そんな常々、漠然と思っていた事を厳の言葉は形にしてくれた様に感じました。
まとめ
この巻のラスト、雫を友人として大切に思うさやは、厳に雫の事をどう思っているのかと問い質しました。
えっ、そこで終わんの!? という感じでしたので早く続きが読みたいです。
この作品はイブニング公式サイトにて第一話が無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。