キャンディ&シガレッツ 8 ヤンマガKC
著:井上智徳
出版社:講談社
新世界秩序(ニューワールドオーダー)、一部の人間が世界の実権を握り全てをコントロールする中央集権主義。
それを目論むデヴィッド・ファルコーネの長男と長女。
武器商人のザックとキーラを暗殺する為、雷蔵たちは中東の国境地帯へと向かいました。
そこで武装勢力に武器のプレゼンをしていたザックは、捕らえた人々をデモンストレーションの為にテンタクルス(ファルコーネの雇っている傭兵部隊)に所属する少女ベルサに殺させました。
崖の上からその様子を窺っていた美晴は虐殺を止める為、ベルサの銃を狙撃。
発見された雷蔵と美晴は作戦を練る間も無く戦闘を開始する事となってしまい……。
登場人物
ベルサ
傭兵部隊テンタクルスの一人
金髪の美晴と同年代の少女。
テンタクルスのリーダーのラドムに拾われ育てられた。
ラドムをパパと呼び彼の敵を排除しようと動く。
クルト
ザックに拉致されていたパルミ村の少年
雷蔵の孫、正太と同じ症状で眠る妹プタラの為、特効薬であるルバイヤートを求めている。
モロク
パルミ村の男
浅黒い肌で黒髪の巨漢。
寡黙で高い戦闘能力を持つ男。
アーロン
NGOシルバーフードに参加する青年
クリっとした目のイギリス人の学生。
シルバーフードは戦場から人々を救う為動いている。
雷蔵が得た情報では、ルバイヤートは彼らが持っているらしい。
湯川
中東で雷蔵たちが出会った麻酔医
背の高い眼鏡の男性。
かつて国境なき医師団に所属していた。
あらすじ
ベルサに撃たれそうになった子供を救う為、美晴はベルサの銃を狙撃。
当然、美晴たちが隠れていた取引場所ある遺跡を見下ろす崖の上は敵に発覚し、銃弾が彼らを襲う。
多勢に無勢の状況の中、政府軍が取引場所に介入する。
その混乱に乗じてザックたちに囚われていた男の一人がテンタクルスの傭兵を殴り倒し仲間を連れて逃亡。
崖下に下り雷蔵も彼らを援護し傭兵を攻撃した。
しかし、乗り込んで来た政府軍の戦車は傭兵も民間人も関係無く砲弾を浴びせる。
取引場所を戦車が蹂躙する中、ザックたちはテンタクルスの幹部の一人、モーゼルが操る装甲トラックに乗り逃亡。
その状況を崖の上で見ていた美晴は、その場を離れようと駆け出した。
そんな美晴をベルサのナイフが襲う。
美晴は自分を殺そうとするベルサに、今はそんな事やっている場合じゃないと説得するも、彼女はラムダの敵を殺すと言って耳を貸さない。
美晴に馬乗りになりナイフを押し込むベルサ、そのナイフを持った手を必死で押し返す美晴。
そんな二人に戦車砲が撃ち込まれ、爆風で飛んだ欠片がベルサのこめかみを直撃、彼女はそのまま意識を失った。
感想
今回は前回から引き続き中東での戦いが描かれました。
紛争地域である国境地帯にある村、パルミ村。
今巻では冒頭の戦いの後、伊蔵と美晴は囚われていた人々が住むその村から、ルバイヤートを求めNGOがいるという武装勢力に占領された町、アレクサリドへと向かいます。
紛争を起こし人々を戦いに向かわせ、それにより利益を拡大し世界をコントロールしようとしているデーヴィッド・ファルコーネ。
読んでいると人の死に寄生し、自分は安全な所からそれを見下ろしている様に感じられて、とても憤りを感じます。
まとめ
今回は傭兵部隊テンタクルスの一人、ベルサにスポットが当てられていました。
彼女も美晴同様、幼い少女でありながら兵士として技術を叩き込まれた人間です。
美晴と話しその心に変化があった様に見えるベルサ。
彼女が一体どんな選択をするのか、先が気になります。
この作品はヤングマガジン公式サイトにて無料で第一話がお読みいただけます。
作者の井上智徳さんのツイッターはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。