シャンピニオンの魔女 2 花とゆめCOMICS
著:樋口橘
出版社:白泉社
その身に邪気を取り込み、毒キノコを生やす事で浄化している黒魔女ルーナ。
邪気はルーナ自身も毒の塊に変え、その呼気にすら毒を含んでいました。
その為、街の住民達からは恐れと嫌悪を向けられています。
そんなルーナは森の小川で傷ついた少年を見つけます。
登場人物
リゼル
ルーナが拾った少年
金髪で青い目の美しい少年。
「呪いの子」と呼ばれる成れの果て(汚染された世界が生み出した毒の化け物)の種。
上位の黒魔法使い達は厄災を呼ぶ彼を、成れの果てになる前に始末しようとしていた。
主さま(ぬしさま)
ルーナの住む森の主
瞳を持つ巨大なキノコ。
ルーナが抱えた穢れを引き受ける。
睫毛が自慢。
鳥の魔法使い
黒魔法使い達のまとめ役
ルーナにリゼルを託す。
カラスのクロードの主人。
上位の黒魔法使いの一人であり黒魔女会議の参加者の一人。
会議のメンバーは彼の他、焔(ほのお)の魔法使い、花(フィオーレ)の魔法使い、水の魔女、石(クリスタル)の魔女、獣の魔法使い、蟲の魔法使い、東方(イースタン)の魔女、風の魔法使い(サボリ魔、今回の会議にも票を焔の魔法使いに託し不参加)の計九人。
焔(ほのお)の魔法使い
黒魔女会議の参加者の一人
苛烈な性格で、世界に厄災をもたらす成れの果ての種であるリゼルの処分を強硬に主張する。
猫の魔女
ルーナと同世代の魔女
過去にルーナと親交があった。
既に亡くなり魂のみの存在となっている。
ランスロット
某国の王子
スパイとして王国に潜入するも、発覚し白魔女によってブタに姿を変えられた。
王族ながらも精神的にかなりタフ。
あらすじ
小川でルーナが見つけた少年は胸にナイフを突き立てられていた。
彼を何とか救おうと家に運びたいルーナだが、彼女が触れればその毒で少年は手当の前に死んでしまうだろう。
そこにルーナの様子を見に来た鳥の魔法使いの使い魔、クロードが現れる。
ルーナは彼に少年を家まで運んでもらい、ナイフごと彼に入り込んでいた毒を抜き出した。
しかしナイフに絡み付いていた呪い以外にも、少年はもっと大きな穢れを抱えていた。
その黒い煙の様な穢れを身に受けたルーナは、クロード達に驚かれるなか家から飛び出し、森の主である巨大なキノコの下へ向かうのだった。
感想
今回は恐らく王族である白魔女にも何か関係がありそうな、リゼルという少年を中心に物語は展開しました。
登場人物紹介にも書いた様に、彼は周囲を汚染し被害を撒き散らしながら動く怪物「成れの果て」という物になる可能性を持った少年です。
イメージでいうと「もののけ姫」に出て来た「祟り神」の大きい版でしょうか。
しかもどうやら彼は「祟り神」とは違い、恨みや怒りでは無く、かなり高い確率で自然とそれになってしまう様でした。
もしそんな物が街や村を襲い、人を飲み込んで肥大化していったら……。
そう考えると焔の魔法使いの言う事も頷ける部分はあります。
しかし成れの果てにならない可能性を捨てて処断すれば、もしかしたらあったかもしれない未来を消してしまう事になるとも感じました。
危険だからと最初から選択肢を潰す事は、なんだか横暴で揺らぎが無いように読んでいて思いました。
まとめ
新たなキャラクター「リゼル」。
彼がルーナとどんな関係を築くのか、次巻も楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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