葬送のフリーレン 3 少年サンデーコミックス
原作:山田鐘人
作画:アベツカサ
出版社:小学館
魔王直属の大魔族アウラから、北側諸国の伯爵グラナトに申し込まれた和睦。
アウラとの戦いに疲弊していたグラナトはその和睦の使者を受け入れました。
ですが根本的に人とは違う魔族が和睦をする事は無く、それは伯爵を排除する為の策でしかありませんでした。
そんな魔族の本質を知っていたフリーレンは、和睦の使者である魔族を仲間の戦士シュタルクと弟子のフェルンに任せ、自身はアウラの下へ単身向かいました。
登場人物
クラフト
エルフの武道僧(モンク僧)
鍛え抜かれた肉体を持つ短髪のエルフ。
数少ないエルフの生き残り。
長い人生の中で自分の為した事が忘れられて行く事を寂しく思い、いつか死んだ時、天地創造の女神に褒められる事を望んでいる。
里長
勇者の剣を守護する里の長
長い髪の小柄な少女。
里長は世襲制であり、彼女は四十九代目。
先々代であるハッちゃけた祖母からの言葉をフリーレンに伝える。
シュトルツ
シュタルクの兄
シュタルクの故郷である戦士の村で、父親からも認められた優秀な戦士。
村が魔族の襲撃を受けた際、防衛に赴き死亡した。
ザイン
北側諸国、アルト森林近くの村に住む僧侶
長髪を後ろで一つに纏めた顎鬚の青年。
神父の兄と二人、教会で暮らしている。
昔は冒険者になる事を夢見ていたが、今は夢を諦め静かに村で過ごすことを望んでいる。
回復魔法に非凡な才を持つ。
愛煙家。
あらすじ
フリーレンの言葉で伯爵救出に向かったシュタルクとフェルン。
シュタルクが囮となり傷は負ったものの、無事、伯爵を魔族達から遠ざける事に成功した。
しかし、使者と偽り城に入り込んだ魔族、リュグナーは血の魔法を極めていた。
彼はシュタルクとフェルンの衣服に付いた自らの血を頼りに、部下のリーニエと二人を追い奇襲を仕掛ける。
シュタルクは一度見た技を自分の物に出来るリーニエと、フェルンは自在に血を操るリュグナーとそれぞれ戦う事となった。
シュタルクが対峙したリーニエは、シュタルクの師匠であるアイゼンの技を完璧に身に着けていた。
一度も勝てた事の無い師匠と同じ技を使うリーニエに、シュタルクは何度も倒れながら師匠アイゼンの言葉を思い出し立ち上がる。
「戦士ってのは最後まで立っていた奴が勝つんだ」
血塗れになりながら立ち上がったシュタルクに、リーニエは「大人しく寝ていれば良かったのに。もう負けたんだから」と無表情に言う。
それにシュタルクは「……俺はまだ立っている」と返した。
更に師匠の技はもっと重かったと続ける。
「お前のは真似事だ」
そう言ったシュタルクに魔族の少女は「ならその真似事で引導を渡してあげよう」と斧を構え踏み込んだ。
振るわれた横凪ぎの斧をシュタルクは上段に構えたまま脇腹で受けた。
軽いと言った言葉通り、リーニエの斧は彼の体を両断する事無く止まる。
攻撃を受け切ったシュタルクが振り下ろした一撃は、一刀の下に魔族の少女リーニエを切り裂いた。
感想
今回は前巻からの続きであるアウラとの戦いの他、雪山で出会ったマッチョなエルフ、クラフト、勇者の剣と勇者ヒンメル、シュタルクの誕生日、静かな村で暮らす僧侶ザイン等が描かれました。
今回も笑えるお話と共に、魂が震えるようなエピソードが多数収録されていました。
その中でもアウラとの戦いは言わずもがなですが、ヒンメルと勇者の剣の話がとても印象に残りました。
恐らく彼は旅の最中、行く先々でフリーレンの心に残る事をしていたのでしょう。
その事が彼女の指針の一つとなり、現在の彼女を導いている様に感じました。
エピソードを読んで、ヒンメルはフリーレンの言う様に本物の勇者だと思いました。
まとめ
今回は終盤、仲間になりそうな僧侶ザインが登場しました。
パーティメンバー的には魔法使いが二人と戦士、そしてザインが加われば僧侶という魔法寄りですが、バランスのいいパーティになりそうです。
加わる気の無いザインをフリーレンがどう口説くのか、とても楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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