君は放課後インソムニア 1 ビッグコミック
著：オジロマコト
出版社:小学館
夜寝る事が出来ず常に不安と苛立ちを抱えている男子高校生、中見丸太（なかみ がんた）。
彼は学園祭の準備中、女子から頼まれ段ボールを取りに行った幽霊の噂がある天文台で同じ悩みを抱えるクラスメイト曲伊咲（まがり いさき）と出会います。
そこから二人の秘密で不思議な関係が始まりました。
登場人物
中見丸太（なかみ がんた）
高校生一年生
不眠症に悩む眼鏡の少年。
夜に眠る事が出来ず、昼間に眠くなるという昼夜逆転した生活を送っている。
ただ、昼間眠くなっても学校で眠る訳にもいかず、不安とイライラを抱えている。
曲伊咲（まがり いさき）
丸太のクラスメイト
黒髪を後ろで一つに纏めた少女。
丸太と同じく不眠の悩みを抱えている。
倉庫となっていた天文台を眠る場所としていた。
蟹川（かにかわ）
伊咲の友人
ツインテールの女子。
理屈っぽく、眠れずイライラしている丸太を少し嫌っている。
野々（のの）
伊咲の友人
美術部の小柄でクリクリした目の女子。
受川（うけがわ）
丸太の幼馴染
小学校時代からの丸太の友人。
短髪で穏やかな雰囲気の少年。
丸太は同級生では彼にだけ不眠症の事も打ち明けている。
倉敷（くらしき）
養護教諭
黒髪ロングの美人女教師。
彼女も丸太の不眠を知り相談に乗っている。
ツーちゃん
学校に出入りしている猫
黒ぶちで恐らく半野良。
あらすじ
九曜高校の廃部になった天文部には一つの噂があった。
天文部に所属していた女子が失恋によって、学校の天文台から身を投げた。
その後、望遠鏡を覗くと月に重なる様にその女子が現れ手を振るらしい。
それを見た天文部の男子部員が一人また一人と衰弱死し、残ったのは女子部員一人だけ。
一人で部の存続は出来ず天文部は廃部、天文台は倉庫となった。
その天文台に亡くなった女子部員の霊が出るという。
いつもカリカリしてクラスの女子とも折り合いが悪い男子、中見丸太は文化祭の準備中、ダンボールに包まり寝ていた所を女子たちに起こされ段ボールの調達を頼まれる。
自分は仕事をしたとそれを拒否したが、クラスの女子の野々（のの）の行為（ジャック・オー・ランタンの被り物で脅された。野々に悪気はなかった）にきつく当たってしまい涙目にさせてしまう。
いたたまれなくなった丸太は、逃げる様に段ボールを取りに本館へと向かった。
道中、出会った友人受川に不眠の愚痴をこぼし幽霊がいると噂の倉庫になっている天文台へと向かう。
天文台前の踊り場にあったダンボールの量に不安を覚えた丸太は、天文台の中にもあるかもと鍵の開いていた天文台へと入り込んだ。
まるで秘密基地の様な天文台の内部に丸太はテンションを上げる。
内部は椅子や備品等色々置かれていたが、とても静かで寝るのには最高の場所だと丸太には思えた。
床にダンボールを敷き、試しに横になる。
……いい。
ここを自分の場所にしようと、寝ていたダンボール横に横倒しにされていたロッカーに手を掛け起き上がる。
不意にそのロッカーの中に目をやると、中には少女が目を閉じ横たわっていた。
感想
不眠の男女二人が学校の天文台で眠る事を切っ掛けに、仲を深めていくといった青春ストーリーです。
丸太や伊咲の様に恒常的に夜眠れないという事は無いのですが、時折眠る事が出来ず徹夜してしまった経験は私にもあります。
そんな日は眠くて思考がまとまらず、動く事も億劫だった事を覚えています。
そんな状態が連日続けば苛立つ事もわかります。
そんな風な二人が作中、互いにもたれあい眠る様子はとても気持ちがよさそうで幸せそうでした。
まとめ
登場人物が皆可愛らしく、読んでいると懐かしさと共に気持ちが穏やかになっていく気がします。
二人は夜眠れないから昼眠っている訳ですが、気持ちよさそうな彼らを見ているとなんだかお昼寝したくなってきました。
この作品は、小学館公式サイトで一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
