君の大声を聞いたことがない 2 ビッグコミックス
著:くれよんカンパニー
出版社:小学館
劇団「オカピの頭」で活動している事を母に知られたかすみ。
役者を嫌悪し結婚する事がかすみにとって一番だと考えている母と、演劇と関わる事を続けたいかすみは衝突。
分かり合えないまま母の行動はエスカレートしてゆき……。
登場人物
京子(きょうこ)
劇団「オカピの頭」の役者
黒髪ロングで前髪パッツンな気の強い女性。
劇団では古株っぽい。
横暴な作井(さくい:劇団主宰者)に憤り退団を希望する。
あらすじ
押し付けに近い形でかすみの幸せを決める母。
彼女はかすみを演劇から遠ざける為、なりふり構わない行動に出た。
職場に現れ同僚の男性達にかすみを売り込み、稽古場にまでついて来て強引に連れ帰ろうとする。
そんな母の手をかすみは振り払った。
大丈夫だから、もうほっといて。
そう言ったかすみに母は自分よりも演劇を選ぶのと詰め寄った。
涙を浮かべる母にかすみは無言で返した。
かすみの様子をみた母は諦めたのか、稽古場を立ち去ろうとする。
作井はかすみの自立に拍手と手を叩いた。
それをチラリと窺った母は出口の前でふらつき倒れる。
倒れた母を放っておく訳にもいかず、その日かすみは彼女を連れて稽古場を後にした。
帰宅後、母の看病をし風呂に入ったかすみの隙をついて、母はなんとか演劇を諦めさせようとかすみの鞄を確認した瞬間、鞄に入れていた携帯が鳴った。
母が確認するとそれは作井からのメールで、稽古場所が変わる事が記載されていた。
彼女はこれは使えると、そのメールを削除。
さらに劇団関係者の連絡先をデタラメな物に代え、関係者の電話を全て着信拒否にした。
翌日、小道具である鹿の首(かすみの家の私物)を持って以前の稽古場を訪れたかすみ。
当然そこには劇団員の姿は無く、いたのは伝書鳩普及協会という鳩のマスクをかぶった集団だった。
連絡も取れず稽古場が何処かも分からない。
母は落ち込むかすみに劇団の悪口を言い、縁が無かったのだと彼女を慰めながらほくそ笑む。
しかしかすみは諦めなかった。
彼女は近隣の稽古場になりそうな場所をピックアップし、鹿の頭を抱え自転車で劇団の行方を探すのだった。
感想
今回は冒頭の母の妨害から始まり、初舞台、劇団の解散、作井との再会等が描かれました。
今巻を読んでいて感じたのは、かすみはこれまで強い自己主張等せず母の言う通り行動して来たのだろうなという事でした。
その事が余計に母親の庇護欲、かすみを導き幸せにしなければならないという思いを強くしていたのでは無いでしょうか。
また、母親が演劇人を毛嫌いするのにも、何か訳があるのではと感じました。
彼女の行動は苛立ちを通り越し、どこか狂気を感じます。
その理由は彼女の過去にあるように漠然と思いました。
あと、今回メイクして代役(本番には出られませんでしたが)としてステージに立ったかすみはとても綺麗で迫力がありました。
彼女はどうも一巻でも片鱗はありましたが、役に入り込んで演じるタイプみたいです。
まとめ
作井と再会し色々あってウェディングドレスを着る事になったかすみ。
今巻はえっ、そこで!? という所で終わっているの非常に続きが気になります。
この作品は小学館公式サイトにて試し読みが可能です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。