クレイジーフードトラック 1 BUNCHコミックス
作:大柿ロクロウ
出版社:新潮社
砂と岩と僅かな文明の残滓しか見えない荒野。
そんな場所でフードトラックを駆り、商売しながら旅を続けている男、ゴードン。
彼はある日、道路の真ん中に置かれた冷暖房寝袋(エアコンシュラフ)の中で寝ていた裸の女を拾います。
女はどうやら軍に追われているらしく……。
登場人物
ゴードン・ゴライアス
フードトラックで商売しながら旅を続ける男
眼鏡に口髭のマッチョなおじさん。
強力な武装を備えたフードトラックで、サンドイッチやハンバーガーを販売しながら旅を続けている。
作る料理がどれも美味そう。
アリサ
砂漠でゴードンが拾った少女
黒髪ロングで褐色の肌の少女。
大食漢で裸族(暑がりなのかすぐに脱ぐ)。
軍にその身を追われている
カイル
アリサを追う軍人、少佐
左目に涙黒子のシュッとしたイケメン。
副官の疑問に律儀に答える。
ちなみに副官の名前はタナカ。
ディエゴ
ビール工場を占拠した巨漢
パーマ軍帽デブ。
武装集団を率い街を支配。
その後、三年にわたり住民達を働かせ、ビール工場から得られる富を独占していた。
あらすじ
文明が滅び砂と岩の荒野と化した世界。
水は干上がり生態系は変化、それでも人々は点在する街で暮らしを続けていた。
そんな荒廃した世界で一台のフードトラックが営業を続けていた。
店主の眼鏡をかけた年配の男は今日もベーコンをカリカリに焼いて、マスタードを塗ったパンにレタスとトマトと一緒に挟む。
しかし、ここは荒野のど真ん中だ。
当然、客は誰も来ない。
日が暮れその日も彼は売れ残ったサンドイッチを自分で食べた。
その翌日、ハイウェイをオアシスへと向かう道中、男は道のど真ん中に置かれた寝袋を発見。
咄嗟にハンドルを切り寝袋は躱したものの、楽しみにしていたビールが三本も砕けてしまった。
ぼやきつつトラックを降りた男は、寝袋に歩み寄る。
流行りの冷暖房寝袋(エアコンシュラフ)の様だが、寝袋のチャックは開いていた。
道の真ん中、しかもチャックが開いていれば空調は効かない。
色々死にたいのか、そう呟きながら男は寝袋を開いた。
寝袋の中にはヌイグルミに抱き着いた褐色の肌をした全裸の少女が、気持ちよさそうに寝息を立てていた。
感想
恐らく戦争もしくは天変地異で水が枯れ、生態系が変化した世界。
分かりやすく言えばマッドマックス的(あそこまで混沌とはしていないですが)な世界で、マッチョなおじさんが拾った食いしん坊な女の子と軍に追われながら旅をする作品です。
おじさんも女の子も訳ありでどちらも非常に強く、なんというかハリウッド映画的な感覚で楽しめる作品でした。
ポストアポカリプス、ミリタリー、アクション、バディ、そしてグルメ。
そのどれもが好物の私にとっては、すごく琴線に響きました。
まとめ
第一巻では主人公のゴードンとアリサが何者なのか、ほぼ謎のまま進みました。
唯一分かったのは軍になにか関係しているという事。
次巻も面白くなりそうです。
こちらの作品はくらげバンチwebにて一部無料で閲覧いただけます。
作者の大柿ロクロウさんのTwitterはこちら。
お読みいただき、ありがとうございました。