猫又まんま 2 モーニングKC
作:保松侘助
出版社:講談社
猫又の五目が書いた(環はペンを持てないので、彼女の筆跡を真似て五目が代筆している)環のレシピで、佐分太の食生活は随分と彩を増してきました。
登場人物
逆木螢(さかき ほたる)
骨董商渋垣の姪
当初は環の宿る香炉を手に入れようと、渋垣が送り込んだのだが、その香炉を落として割ってしまう。
後にその事を気にして佐分太のもとへ謝罪に訪れる。
八宝(はっぽう)
猫又
環に懸想し佐分太に厄神を嗾けたりとちょっかいを掛ける。
あらすじ
環の一周忌を前に、佐分太は五目を懐に入れて墓参りに出かけた。
お供え物は、以前環と共に祖父の墓参りに来た時、環に教わったワンカップの熱燗と焼きいも。
熱燗を飲んでいると、当時、佐分太の鼻歌「My Favorite Things」の替え歌で二人で踊った事を思い出した。
雪が降り出した事を期に、帰ろうと墓に声を掛け腰を上げる。
その帰り道、飲んだ熱燗の所為か、佐分太は環との思い出を語りながらワルツのステップを踏んだ。
すると佐分太の前に、環が現れ「My Favorite Things」を歌い始めた。
気が付くと舞い散る雪の中、二人はワルツを踊っていた。
そんな幻想的な場面を犬の鳴き声が打ち砕く。
酒に酔い幻を見ていたらしいが、散歩中の犬に吠えられた事で我に返ったようだ。
佐分太は、ちょっと酔ったかなと自嘲気味に笑いながら、懐にいる五目の髯についた雪を弾いた。
感想
この作品はこの巻で完結です。
もう少し読んでいたいと思っていただけに残念です。
古道具屋であるなら、付喪神とか出せそうですし、料理についても作者の保松さんはまだ沢山引き出しを持っていそうです。
猫又の五目については、以前飼っていた猫(老衰で死亡)に猫又でもなんでもいいから長生きしてくれと思っていただけに、フィクションと分かっていても少し羨ましくなりました。
まとめ
猫又、幽霊、グルメと私の好きな要素が詰まった作品でした。
骨董商の渋垣や、友人の津辻、老婦人福司屋等を掘り下げた話も読んでみたい気がしました。
こちらの作品はモーニング公式サイトで第一話が無料で閲覧いただけます。(20年1月現在)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。