バトルグラウンドワーカーズ 5 ビッグコミック
著:竹良実
出版社:小学館
自分達がこれまで倒して来た亞害体。
その正体が人である事を知った平は、その真実に打ちのめされました。
しかし、彼は立ち上がり真実を仲間達に伝え、彼らと共に自分達の出来る事をやろうと動き始めます。
そんな矢先、平の操縦するライズは亞害体の正体であるサファン(人類連合と対立関係にある蘇芳島に住む民族)の過激派グループである黒鵲派のエースに共に海溝に沈み通信が途絶えさせます。
登場人物・設備
園田(そのだ)
人類連合クラウドセンターのオペレーター
人類連合の秘密を知る青年。
オペレーターは現在戦っている相手が人間と知ってもなお、仕事を続けられる者が選ばれるようだ。
彼もその例に漏れず、汚職をフォローする事で出世してきた。
樫見宗司(かしみ そうじ)
元新聞記者
平が戦っていた亞害体の正体だった人々、サファン。
そのサファンの記事を書いた新聞記者。
現在は消息不明。
ジラ
サファンの女性
黒髪を三つ編みにした女性。
グループのリーダー。
日本語の他、中国語、英語も話せる。
人類連合と対立し行動を続けているが、彼女達のグループは穏健派。
かつてサファンは人類連合と協力し、本物の亞害体を撃退した。
しかし、その後の人類連合の行動が道を別つ契機となった。
サファンはクィムナという人型兵器を使っている。
ただ、クィムナは遠隔操縦のライズと違い有人機。
テグ
サファンの男性
大柄でバンダナ糸目の男性。
メカニック。
ジラの恋人。
石田陽介(いしだ ようすけ)
人類連合の港湾作業員
そばかす顔の若い男。
蘇芳島での作業中、三十一小隊の隊長、百沢がライズで誤射した事で左足を失う。
誤射は百沢がライズのモニターで人サイズの亞害体を確認した事が原因。
AT-AT
かつて世界中のあらゆる場所に突如現れていた亞害体の出現場所を限定する為の装置。
装置には問題があったらしく、それを巡り人類連合と設置場所で暮らす民族サファンの間で対立が発生した。
あらすじ
黒鵲派のエースに手足をもがれ海溝に沈んだ平のライズ。
そのまま、通信が途絶え平は脳死という事で処理されていた。
通信途絶の直後、隊員達の様子から上層部は秘密を知っていたのは平のみと判断。
その三か月後、小隊は特に処分される事も無くその後も存続していた。
ただ、西は除隊し平は戦死、その穴が埋められる事は無く現在は四名で作戦行動を遂行している。
小隊は二人抜けたとはいえ、人類連合からは特に問題無く動いている様に見えた。
しかしそれは上層部に気付かれない為の偽装だった。
彼らは平が知った真実を世間に公表し、人類連合を告発しようと水面下で活動を続けていた。
感想
今回は平を失った31小隊の面々と、人類連合とサファンの対立の原因、そして平がコンタクトを取ったサファンのグループ、ジラ達の活動の様子が描かれました。
人類連合が隠して来た真実とその理由。
自分達の立場を守る為、隠蔽され犠牲を強いられているサファン。
それが明らかとなれば人類連合は世界中から非難を浴びるでしょう。
かつて日本においても朝廷に従わない人々を、土蜘蛛や鬼と呼び討伐していたという説を聞いた事があります。
体制側に反抗する者が悪とされるのは、歴史的にみれば珍しい事では無いのかもしれない。
今回、作品を読んでいてそんな事を感じました。
まとめ
この巻では過去に何が起きたのか、サファンという民族が何故、亞害体の姿に画像加工され攻撃される事になったのかが語られました。
その事を巡って人類連合という巨大な組織に31小隊はどう立ち向かうのか、先がとても気になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品は、ビッグコミックBROSで第一話が無料でお読みいただけます。
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