キミオアライブ 3 KCデラックス
著:恵口公生
出版社:講談社
父親に連れ戻された梅子(うめこ:夢子)。
彼女を取り戻す為、君生(きみお)、権田(ごんだ)、清鷹(きよたか)の三人は彼女の実家、八乙女一家のある広島へやって来ました。
三人はそれを予想していた梅子の父、八乙女一家の組長の指示で動いていた組員に駅を降りた瞬間、拉致され組へと連行されました。
あらすじ
組へと連行された君生に組長は銃を突き付けながら梅子から手を引くよう迫る。
だが君生は真っすぐ組長を見上げ、死んでも生きてやりたい事をやる、夢子と一緒にと答えた。
諦めない君生に組長は引き金を引く。
脅しの為の空砲が鳴り響き、君生の瞳が見開かれる。
「次はタマが入っとる」
そう言って再度、君生の額に銃口を向け、組長はユーチューボー如きで命が張れるのかと君生に問うた。
それに君生は夢子の素晴らしさを語る、その語りが歌の事になった時、組長の過去の記憶が刺激され彼は思わず引き金を引きそうになった。
だが、突如その場に乱入したDJマグレの介入で組長は一旦鉾を収めた。
その後、恩人だと君生を抱きしめたマグレだったが、抱きしめられた君生は吐血。
軟禁されていた二階の部屋から飛び出した梅子が駆け寄り君生を支える中、そのまま意識を失った。
その後、君生は病院に運ばれ治療を受けベッドに寝かされる。
そんな君生の姿はマグレに過去、君生に会い受けた衝撃を思い出させる。
かつて無名時代、マグレはDJとしてもユーチューバーとしても中途半端で最底辺だった。
そんな時、ボランティアで訪れた病院でマグレは君生に出会った。
その痩せ細った少年は付箋に書いたやりたい事を病室の壁一面に張っていた。
そしてそれを本気で達成するのだと少年の目は語っていた。
君生の姿はマグレの心を揺さぶった。
ぼくもやりたいことを全部やろう。
あの子が憧れてくれるような大人になろう。
その時、マグレはそう誓った。
感想
第三巻でこの作品は未完のまま終わりました。
事あるごとに涙腺を刺激する素晴らしい作品で、これからも沢山泣かせてくれるだろうと思っていただけに残念でなりません。
作者の恵口公生さんはご存命であれば、きっと今後も名作と呼ばれる作品を多数生み出していたと思います。
ただ、二巻のまとめにも書いたのですが、この作品は商業的にはあまり売れ行きは良くなかったようです。
毎日、膨大な数の出版物が刊行され読まれずに消えていく時代。
このブログを始めた切っ掛けも、自分が素晴らしいと思った作品の打ち切りが多いなぁと思うのが増えた事が理由の一つでした。
こんなに面白い作品が続かないのはおかしい。
読んでもらえれば続いていたかもしれないのに。
一つの作品が途中で終わるたびそう思います。
もし、あなたに何か好きなモノがあるのであれば、出来る限りの範囲で構わないので終わってしまわないよう応援をお願いしたいです。
作品を購入するのが一番なのでしょうが、友人に面白かったと伝えるだけでも、SNSで少し触れるだけでもいいと思います。
死によって作品が知られるのは、余りに切ないので……。
まとめ
第三巻は申し込んだ人に無料で配布された物です。
その中にはラフの形で第12話と未発表のネーム、イラスト等が収録されていました。
最後に本の形にしてくれた講談社様と、作者である恵口公生様とそのご家族様に最大級の感謝を。
この作品は講談社公式サイトにて第一話が無料でお読みいただけます。
作者の恵口公生さんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。