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ゴブリンスレイヤー 第六巻 冒頭部分あらすじ・感想・印象に残ったもの

投稿日:2018年12月28日 更新日:

草原
ゴブリンスレイヤー6

著:蝸牛くも
画:神無月登
出版社: SBクリエイティブ GA文庫

春が巡って来た。辺境ギルドにも新しい顔が見える。
この中の何人が生き残り、冒険者としてやって行けるのか分からないが、彼らは皆自分たちの成功を信じ、目を輝かせていた。

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冒頭部分 あらすじ

辺境の街からほど近い広野に一人の男が立っていた。
薄汚れた皮鎧を纏い、安っぽい鉄兜、腰には中途半端な長剣、左腕には小ぶりな円盾。

かつてここには村が在った。彼はここで姉と暮らしていた。
何かの燃えカスを拾い上げる。それは元が木だったのか、骨だったのか判然としない。

十年前、ゴブリンに襲われ壊滅した村には、冒険者たちの訓練場が作られる予定だ。
春を伝える暖かい風が吹いている。
その風は芽吹いた草木を揺らし、さざ波のように広がっていく。空は青く、白い雲が漂っていた。

彼は過去を振り切るようにその場を後にした。

賑わいを見せるギルドの片隅で、女神官は上機嫌で笑っていた。
冒険者となって一年、この時期、新たにギルドに加入する者も多い。
後輩冒険者の存在は、一党の中ではひよっこ彼女にとってお姉さんぶれる数少ない機会だ。

そんな女神官を見て、妖精射手が釘をさす。
調子に乗ってはだめ、後衛職は要なんだから。
妖精射手の言葉に素直にうなずく女神官の髪をすっと梳いてやる。
笑って目を細める女神官を可愛い妹分だと妖精射手は思った。

賑やかよねと言いながら、ギルドホールを見渡す。
職業、性別、種族。様々な人々がホールにごった返していた。
皆一様にピカピカに磨かれた装備を身につけている。

オルクボルクにも見習わせるべきと口にすると、女神官がゴブリンスレイヤーさん、光るの嫌いそうですから、難しいと答える。

答えた女神官が顔を赤らめ、もじもじしているので妖精射手はどうしたのと声をかける。
周りを伺い理由に気付く、若い女性二人、しかも片方は上の森人となれば、注目を集めるのも当然だ。
去年はここまで多くはなかった。

訓練場の開設が影響しているのだろう。
以前より計画はあったが、その進みが加速したのは理由があった。

冬の雪山、北の砦で救助し、一緒に戦った令嬢剣士。
彼女は冒険者を引退し、支援者として戦うことにしたのだ。
彼女から届いた手紙には几帳面な字でそう記されていた。

小鬼に一度全てを奪われた彼女が、折れずに戦っている事が女神官には嬉しかった。
最初に基礎を教わることはとても大事だと女神官は思う。
何が良くて、何が駄目なのか、それさえも分からないのだからと話すと、妖精射手はそれも人によると返す。

鉱人は人の話なんて聞かないだからと、続けた彼女に、鉱人道士が聞こえとるぞと低く唸り声をあげる。
いつものやり取りが始まり、女神官は微笑んだ。

馴染みの顔に挨拶をして、彼らと話しているとざわめきが起こった。

自在扉を開けて、一人の冒険者がギルドに入って来た。
安っぽい鉄兜、薄汚れた皮鎧。
ゴブリンスレイヤーさんと女神官が声をかけると、新人たちの間に笑い声が起きる。
ゴブリンは最弱の魔物だ。それを殺す者、二つ名としては微妙な響きだ。

笑っていない者も無論いた。彼に救われた村も多い。
ゴブリンをよく知らないものにとっては、最弱の魔物という認識しかないだろう。
ゴブリンスレイヤーは周りの反応を無視して、女神官に返事を返し、仲間たちに声をかける。
妖精射手の、今日はどうするのという問いかけに、彼は返答する。

「ゴブリン退治だ」

印象に残ったもの

・三人の男の話
槍使い、重戦士、ゴブリンスレイヤーが酒を酌み交わし、今後を語ります。
銀等級の彼らだからこそ判る、やりたい事、やらなければならない事、出来る事。
新しく入って来た新米冒険者に対する、彼らの思いが感じ取れるエピソードでした。

・ゴブリンスレイヤーと鉱人道士の会話
魔術師の少年の指導を鉱人道士に頼む場面、ゴブリンスレイヤーの鉱人道士に対する信頼が窺える一幕でした。
彼は言葉は少ないですが、サラっと殺し文句を言うのが憎いですね。

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感想

春になり、新たな冒険者がギルドに加入してきました。

その中のひとり、赤毛の少年魔術師が今回のメインゲストです。
彼はゴブリンスレイヤーと同様に、ゴブリン退治以外の仕事はしないと言って受付嬢を困らせています。
彼女は魔術師をゴブリンスレイヤーに預けるのですが…。

女神官の成長が感じられる(神官として良い方向なのかは、置いておくとして)お話です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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