BADON バードン 3 ビッグガンガンコミックス
著:オノ・ナツメ
出版社:スクエアエニックス
元犯罪者、ハート、リコ、エルモ、ラズ。
四人が首都バードンで再起をかけ開いた煙草店「プリミエラ」の物語。
テレビ局の看板キャスターがドラマの撮影中、死亡する。
そんなショッキングな事件が起こりましたが、その事件も不幸な形ではあるものの解決し、プリミエラの顧客にテレビ関係者が加わりました。
登場人物
ケイ・タットラー
高級煙草店「タットラー」の店主、レニーの母親
恋多き大人の女性。
レニーの父親とは別れ現在は独り身のようだ。
リコを気に入ったらしい。
ドナ
プレミエラの入るツタ・アパートの一階、菓子店ハチクマの店長
気の強い姉御肌の女性。
当初はヤッカラ出身であるプレミエラの四人を警戒していた。
現在は四人と同居している少女リリーへの対応を見て、ご近所さんとして付き合っている。
顔の好みはシュッとしたコリー・カイト(事件で死亡したキャスター)の様な男性。
ルカ
ハチクマのパティシエ、ドナの弟
髪の長い優しい雰囲気の男性。
リリーを気遣いプリミエラによく差し入れをしてくれる。
現在は家を出て恋人と同居中。
エリオ
ハートがいた組織の幹部
サングラスに鬚の曲者感の強い男性。
プリミエラへ無期限で資金を出資した。
ハートは彼が苦手な様子。
ジャコモ・トス
エリオの右腕
黒髪で口髭の物静かな男。
ハートが組織を抜けた事でそのポジションに入ったようだ。
ハートは覚えていないが、過去にはハートとも関わりがあったらしい。
ノワ
税理士
リコの大学時代の友人。
現在は税理士としてプリミエラの帳簿を管理している。
不動産屋にも彼が手を回した。
サラ
テレビ番組に出演している料理研究家
眼鏡でパーマの女性。
リリーは彼女のファン。
あらすじ
年の瀬、四人の元悪党が立ち上げた煙草店「プリミエラ」も順風満帆とはいかないが何とか年が越せそうだった。
バードンの街の面々もそんな慌ただしさの中、それぞれの生活を送っていた。
そして年明け、高級煙草店「タットラー」の古株ベンに店主レニーが煙草を一箱差し出す。
銘柄の書かれれていないその光沢の無い黒い箱は、ベンには「ホーク」に思えた。
煙草は休暇中にレニーが友人から手にいれた物で、友人は旅行中、ヤッカラのカジノ街で入手したらしい。
その煙草には大麻が入れられていた。
斜陽産業である煙草業界を憂うレニーは、闇煙草の存在を危険視しそれを製造したであろうホークと、販売を請け負っている「プリミエラ」に年一回の煙草業界の懇親パーティで接触を試みるのだった。
感想
今回は以前、ホーク兄弟の義弟、ナッティが製造した大麻入りの煙草を友人から入手したレニーのお話をベースにして、友情をテーマに描かれました。
今回、主役となったのは元詐欺師のリコ。
彼は生来の人が何を求めているのか分かるという能力を活かし、人妻をターゲットにしてその日暮らしをしていたようです。
ただ彼は一般的な詐欺師と違い、金が目的では無く自分の力が何処まで通用するのか知りたかった様でした。
その詐欺の様子は作中、リコの語りという形で描かれましたが、想像するにリコは女性たちが求める物を与え、女性たちも彼の正体に薄々気付きならがもその心地よさに関係を続けたのではと感じました。
また、この巻では二つの友情についても描かれました。
一つは新聞記者のアレンとタットラーの社長で富豪のレニー。
もう一つはリコと税理士のノワ。
そのどちらも一度は途切れた友情が、再び結ばれる様子が描かれていました。
分かれた道がまたつながる様な、そんな何処か暖かい物を読んでいて感じました。
まとめ
今回はリコを主人公に彼の過去が語られました。
次回は恐らく物静かなラズのお話が描かれるのでは無いでしょうか。
終盤、面倒を起こしそうなハートの関係者も現れ、次回も色々とありそうです。
この作品はpixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。