ダンピアのおいしい冒険 5
著:トマトスープ
出版社:イースト・プレス
停泊地、プロ・コンドールで脱走を図った船医のコピンジャー。
彼を探す過程で出会った青年、エラスモから財宝を乗せたまま座礁した中国ジャンク船の話を聞いたダンピア達。
船長のリードは彼の話に乗り、財宝を得るため財宝の沈む岩礁の島、プラタス島へと舵を切るが……。
登場人物
エラスモ
ダンピア達がプロ・コンドールで出会った青年
長い黒髪に褐色の肌の男。
自由を望み海賊であるダンピア達の仲間にしてほしいと頼む。
プラタス島の沈んだ財宝の話を船長のリードに伝え、シグネット号はプラタス島へと向かう事になるが……。
あらすじ
船から逃げ出した船医のコピンジャー。
彼を探していたダンピア達はその道中、褐色の肌の青年と出会う。
その青年の助言でダンピアはマンゴーの木の下でコピンジャーを見つけ、彼を船に連れ戻す事に成功した。
船に戻ると先ほどの青年が、コックのアンブローズ達とダンピアを出迎えた。
青年は船の修理を手伝い、その後、ダンピア達が海賊である事を指摘し仲間にしてほしいと告げた。
その後、その青年、エラスモは船長のリードに直談判し、信用を得るため中国の財宝を積んだジャンク船が眠る島、プラタス島の話を伝えた。
スペイン船とやり合うにも砲弾は残りわずか。
そんな懐具合もあり、リードはエラスモの話に乗る事を決めた。
自信満々のエラスモだったが、プラタス島に向かったシグネット号は風に流され大きく西に流され、ついには中国の海岸に流れ着いたのだった。
感想
今回は船医コピンジャーの脱走から始まり、エラスモの加入とプラタス島への航海、中国から再びプラタス島へ、嵐から逃れピカドリーズ諸島へ、エラスモの過去、無人島の人々、多数決と巨大シャコガイ、オーストラリア上陸、下船とダンピア船長等が描かれました。
その中でも今回は新たに仲間となったエラスモの過去が印象に残りました。
彼は自由に生きる海賊たちに憧れ、ダンピア達の仲間になる事を望みました。
彼はシャム生まれのポルトガル人で、ポルトガルの神父が名付け親でした。
しかし、シャムは国王がフランスびいきだったため、ポルトガル人の神父はシャムを追われる事となり……。
国同士の都合で馴染み愛したものが消えていく。
エラスモはそんな日々に嫌気がさし、自由に生きているように見える海賊に憧れたようでした。
国の意向、教会同士の諍い。
権力に翻弄されたエラスモ達。
彼がそれに虚しさを覚えたのもわかる気がしました。
まとめ
海賊として冒険の日々を送ったダンピアの物語も次巻で完結。
彼の旅路がどんな結末を迎えるのか、読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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