狩猟のユメカ 2 イブニングKC
著:古部亮
出版社:講談社
秩父市内で出会った少年、千夏(ちなつ)。
彼はトイレに行きユメカ達から離れた際、死亡していたアメリカ人男性が所持していた、スマホに残された動画データに映っていた女性二人を発見します。
銃を持った者達に拘束された様子だった二人の生存に喜び、声を掛けながら駆け寄った千夏を出迎えたのは、女性の一人が手にしていた肉叩きの一撃でした。
登場人物
ナオミ
千夏を襲った集団の一員
眼鏡で猫口の女性。
M16の民間向け販売モデルAR-15をカスタムした、AR-57を装備している。
舌が長い。
エド
千夏を襲った集団の一員
サングラスで髯の男
千夏の右耳を食ったラーテルを連れている。
グレタ
千夏を襲った集団の一員
前髪が斜めパッツンな黒髪の女性。
千夏を肉叩きで殺そうとした。
エンマ
千夏を襲った集団の一員
前髪がパッツンな金髪?の女性。
COP.357という銃身を四つ備えた護身用拳銃を所持している。
357という名前からも分かる通り、本来は357マグナム弾を使用するが、エンマは反動の低い38スペシャル弾を使用している。
ナザル
千夏を襲った集団のボス
元ウクライナの警備隊。
鋭い目つきの長髪の男。
AKS-74Nというロシアのアサルトライフルを所持している。
そのライフルには光学サイト(レンズに光点を表示し照準合わせをアシストする)+ブースター(サイトの倍率を高める)をオプションとして取り付けている。
住民の殆どが消えた世界で動物とタッグを組み、弱肉強食の世界を生きようとしている。
巨大なヘラジカ「キング」とタッグを組んでいる。
風美(かざみ)
千夏を襲った集団の一員
革ジャンに無精ひげの男。
ユメカの猟の師匠であり優秀なハンター。
現在はナザルの下に付き、彼の指示に従っている。
相棒はアンデスコンドル。
ジンゴ
ハイイログマ
アメリカで生まれ人に育てられた。
人間と暮らしていた為、攻撃を思い切る事が出来ない。
音楽とビールが好き。
ゾフィと出会い、彼女との訓練で新たな性癖に目覚めた。
文太
ニホンザル
黒い中折れ帽にコートを肩にかけたオネェ口調の猿。
M360J SAKURAという警官が使用する五連発リボルバーを所持。
その器用さから銃の腕はピカ一。
いぶし銀。
あらすじ
人の接近に気付いたシュージャーと共に、千夏の下に駆け付けたユメカ達。
そこには頭を割られ、右耳を食いちぎられた千夏が横たわっていた。
それを行った者達のリーダーらしき覆面の男は、千夏を傷付けた者達を叱責しておくから、この場はそれで手打ちにしようとユメカに提案する。
当然、ユメカはそれに反発。
それを聞いたゾフィは勝ち目が無いと、ユメカに目配せしてその場を後にした。
しかし覆面の男はユメカの仕草に違和感を感じ、すぐにゾフィの後を仲間の一人であるナオミに追わせる。
その後、男は謝罪はしたし、起きた事は戻す事が出来ない、これ以上どうしろというんだと苛立ちを滲ませる。
そんな男と対話の中でユメカは会話の噛み合わなさを感じていた。
膠着した状態の中で頭を割られた千夏が突然立ち上がり、集団の一人であるエドからナイフを奪う。
ユメカに自分の事は何とかしますと、血を流しながらナイフを翳す千夏。
そんな千夏に集団の一員であるエンマは所持していた銃を抜き、千夏の腹に向け躊躇なく発砲した。
感想
今回はナザルが率いてる集団との対立、連れ去られた千夏、新しい仲間、ナザルとの再戦等が描かれました。
その中で冒頭近くのナザルとユメカの会話が印象に残りました。
二人の会話の噛み合わなさ、それは多分に価値観の違いが大きい様に感じました。
日本人であれば誰かを傷付ければ、それが故意であれ事故であれ謝罪と補償を考える筈です。
ですがナザルは補償は一切口にせず、謝罪だけで押し通そうとしていました。
彼の言う通り起こった事は取り返しがつかないし、それはどうする事も出来ないでしょう。
しかし、アフターケアはする筈です。法が支配する社会であれば。
ナザルや風美たちはいち早く、守るべき法が消滅したと気付いたのではないでしょうか。
邪魔者や異なる考えの者は排除する、それを躊躇しない、する必要が無い。
それは酷く原始的で野性的だなぁと、彼らの行いを見ていてそんな風に思いました。
まとめ
物語は新たな仲間(動物)を加えナザルとの対決へと進みました。
今回もラストが、えっ、そうなん!? といった物だったので次回がどうなるのかとても気になります。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。